連続テレビ小説「花子とアン」第65回「グッバイ!はな先生」【第11週】

回想

サダ「実はね この間の話 全部 嘘なのよ。」

はな「てっ… う… 嘘って。」

サダ「だって 幸せそうなんだもん。 あんたのお母さん 旦那の事 信じきってるし 私が何を言っても かばうもんだから… こんなに旦那を愛してる奥さんも いるんだって 悔しくなっちゃって。」

はな「ふ… ふんだけど ほのくしは…。」

サダ「あっ これ? これは 気に入ったから自分で買ったの。 うちの旦那は こんな物 買ってくれる人じゃないから。 これ 買った時 吉平さんったら あんたのお母さんに くしをあげた時の話を ずっと うれしそうにするのよ。」

回想終了

はな「ほれとね 富士山の話も嘘だったの。」

回想

サダ「『いつか お前には 表側の富士山を見せてやる』って。」

回想終了

はな「おとう 本当は こう言っただって。 『うちのやつに表側の富士山を 見してやりてえだ。 俺のふるさとの景色を 見てもらいてえだ」って。』

ふじ「ほんな事を…。」

はな「おとう 教会の本の部屋にいるよ。」

ふじ「はな!」

周造「何べん言ったら分かるだ。 こっちが表で あっちが裏。」

教会

図書室

ふじ「あっ! あっ!」

吉平「ふじ。」

ふじ「あんた…。 もう 全部聞いただよ。 はなの学校にサダさんが来て。」

吉平「てっ…。」

ふじ「あんた…。 いつ 表の富士山を 見に連れてってくれるでえ?」

吉平「てっ… ほれも聞いただか?」

ふじ「おらを 生まれ故郷に 連れていきてえなんて ほんな事 思っててくれてたなんて… うれしいよ…。」

吉平「おい。 泣く事ねえら。」

ふじ「(泣き声) ふんだけんど… 夢みてえじゃん! (泣き声)」

吉平「俺は おまんと一緒になって ここで暮らして 甲府の事が大好きになった。 おまんにも 俺の生まれ故郷を 好きになってもれえてえだ。」

ふじ「あんた…。」

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