病院
愛の病室
純「愛君 私 こんなのへっちゃらだよ。 愛君を絶対元気にしてみせるからね。」
愛に腕が握り返してくる
純「愛君? 愛君! 愛君 今先生呼ぶから 先生! 先生!」
多恵子「どうしたの?」
純「愛君が手握り返したんです! 先生 呼んできます。」
多恵子「やめとおきなさい。」
純「え?」
多恵子「さっきも 同じよなことがあったから 先生に聞いたら よくあることなんだって。 寝ている人をつついたら 反応するでしょう あれと一緒で でも それだけじゃあ 目覚めることはないんだって。」
純「ねえ 愛君 手握り返してくれたじゃない 今。 もう1回 ねえ愛君 ねえ愛君。」
多恵子「これは あなたのせいじゃないわ。 わかったって言うまで何度でも言うわよ。」
多恵子「こんなことになったのは あなたのせいじゃない 愛は あなたと 結婚しなかった方が よかったなんてことは けっしてない 反論してもなんとでも言うわよ。 これは あなたのせいじゃないの。 わかってるの? これは…。」
純「わかりました。 ありがとうございます。」
多恵子「目覚めるって信じましょう。 私とあなたが力を合わせたら 世界最強なんでしょう? 私たちが諦めたら 愛が終わっちゃうわ。」
純「はい。」
はじめて触ってくれた お義母さんの手が 私より ずっと震えているのが わかった。