サザンアイランド
純「お父ちゃん… お父ちゃん 居ないの?」
愛「大丈夫そうですか?」
純「うん。」
愛「じゃあ 早速作戦会議始めましょうか?」
愛「来年の夏に オープンしたいから 早く取り壊したいんですね ここ。」
純「ねえ なんか契約書に 不備とかない?」
愛「何かあるような気はするんですけど…。」
純「ある?」
純「誠ちゃん? なにやってんの こんなとこで?」
誠「ここに泊まってんねんけど?」
純「何で?」
誠「ちょっと 自分を見つめ直そうと思ったら 海が見たくなって 気がついたら 宮古におったって感じ?」
愛「うそつくな 剛君に謝らなきゃって 思ったんだろ? その気もないのに 結婚しようとか言っちゃったから。」
誠「人の心読まんといてよ! それにしても ホンマ使えんな このホテル 食事はマズイし 部屋は汚いし。」
純「あ! 誠ちゃん それ あの… それね 壊れてんの。」
誠「ったく もう 潰れて当然やわ。」
愛「あ そうだ。 これ 誠なら分かるんじゃないかな? この契約書 何か不備ないか?」
誠「ん?」
純「ウチの親父が このホテル勝手に売ろうとしてんの なんとか阻止したいの 誠ちゃん 法律の勉強してたんだよね?」
誠「もう そんなん急に言われても無理や!」
純「1個でもいいから なんか どっか 本当に ちょっとでもいいから お願いします。 なんでもいいから 見つけて お願い お願い!」
誠「ママやったら 分かるんじゃん? 契約書の不備とか 得意やから 見つけるの。」
純「じゃあ 誠ちゃん 電話してくれる お義母さんに?」
誠「私は 絶対嫌 一か月 口きいてないし。」
純「じゃあ 愛君!」
愛「無理です。」
純「じゃあ 私が電話する 誠ちゃん お義母さんにかけて 携帯貸してくれる?」
誠「ん 私これ ママにFAXしてくる。」
純「うん。」
(電話のコール)
多恵子「もしもし 誠? どこに居るの今?」
純「あの… 純です あの 実は… 今 おじぃのホテルが ちょっと大変なことに なってまして それで あの あっ!(電話を切られる) う~。」
愛「純さん。」
純「ん?」
愛「携帯貸して下さい。」
多恵子のオフィス
多恵子「あなたと話す気はないと 言ったハズよ!」
愛「愛です。」
多恵子「なんの用?」
秘書「失礼します FAXをお持ちしました。」
愛「今 FAX送らせてもらったんですけど その売買契約を白紙に戻す 方法を教えてもらいたいんです。」
多恵子「何で そんなことしないと いけないの? 私はあなたの 家族じゃないんでしょ?」