狩野家
晴海「ああ。 マリヤさん よく来たね。 ね 上がって。」
マリヤ「あ。 正は?」
晴海「もう 来ると思うから 入んなさい。」
純「マリヤさん。 待ってたよ。」
晴海「おとうさんも もう帰ってくるし みんなで おいしい物食べようと思ってさ。」
愛「勇気。 おかあさん帰ってきたよ。」
マリヤ「ごめんね 愛君。 迷惑かけて。」
愛「いや 勇気ちゃん 可愛いんで 全然大丈夫です。 ママに抱っこしてもらおうか ね? はい。」
愛「よかったね。 ママがいいね。」
善行「帰ったで!」
晴海「おとうさん お帰りなさい。」
純「お帰りなさい。」
善行「ああ… えらいお前 今日はどうしたんや? 敵も味方 えらい揃うとるやないか?」
晴海「あら メール見てないんですか? 今日は久しぶりにみんなでご飯食べようって送ったのに。」
善行「何を言うてんねん お前。 年も明けて 今一番忙しい時や お前のメールなんか見てる暇なんてない。 あ! 来とったんか! おお 勇気。」
純「そうだよ 早く抱かせてもらいなよ お父ちゃん。」
マリヤ「どうぞ。」
善行「いや 俺が別にええねん。 今 機嫌良うしてるから これでええねん。 俺はええ 俺はええねん。」
純「素直なったら いいのに 本当は可愛くてしょうがないくせに。」
晴海「もうやめなさい。 顔を会せればケンカするの 2人は?」
純「お母ちゃん 嬉しそうだね なんか?」
晴海「だってさ こんなに賑やかなの 久しぶりだなに これで剛もいれば 家族全員集合なのにね。」
愛「剛君から なんか変なメール届きましたけど。」
善行「え?」
純「この前まで『カバディ カバディ』とか言ってたのに。」
愛「なんか メンバー全然集まんなかったみたいです。」
純「だからって 今度はフラダンスかよ。」
剛「やっぱ 今の時代に必要なのは アロハの精神だ 知ってる? アロハには アイラブユーって意味もあるんだぜ。 わおっ!」
晴海「もう 来るハズなんですけどね 正。」
善行「ったくもう 連絡くらいせえ あいつは。 それとも あれかな? もしかして 相手の女と ウマい事 別れられへんかったんとちゃうんか?」
純「ちょっと お父ちゃん。 なんでマリヤさんの前で そういうこと言うわけ?」
善行「料理がな 冷めてまうから 俺は言うてんねん。」
晴海「そうですよね じゃあ 先食べときましょう。」
善行「おお。 食べよ 食べよ。」
純「ねえ そうしよう。」
一同「いただきます。」
愛「おいしそうですね。」
純「おいしいんだよ お母ちゃんの料理。」
一同「ん?」
晴海「ん? なんですか? なにか変ですか? え?」
(チャイム)
純「あ!」
愛「僕出ます お義兄さんだと思うんで。」
純「うん。 ねえ お母ちゃん 塩 胡椒忘れた?」
晴海「違うさ おとうさんの体のこと考えて ちょっと 味付けを薄くしてるだけさ 足りなかったら かければいいでしょう。」
純「ああ! かけすぎ かけすぎ。」
善行「おいおい。」
純「お母ちゃん そんなにかけたら。」
晴海「おいしくないって言ったのは あんたたちでしょ?」
純「そんな いいから お母ちゃん。」
正「なにやってるのお母さん。」
純「お兄ちゃん。」
晴海「正。 どんなだったの?」
正「別れるなら 死ぬとか言いだして…。」
純「それで どうしたの?」
正「じゃあ 死ねとは言えないし…。」
純「じゃあ なに 別れてないってこと?」
正「しょうがないだろ マリヤに会いに行くって言ったら 一緒に大阪来るとか 言いだして とめるの かなりハードだったんだから。」
マリヤ「もういい わかった。 これにサインして。 私はもう してあるから。 慰謝料も養育費もいらないから。」