受付「狩野さん。 申し訳ありません こちらの保険証 現在 使用できないんですけど。」
晴海「どういうことですか?」
受付「資格が失効してるみたいで ご主人が会社を辞められたのでは?」
晴海「そんな… あの じゃあ 私はどうすれば?」
受付「診察受けられるなら 実費負担になりますけど。」
晴海「じゃあ 結構です今日は。」
コインランドリー
また 出ないのかな お母ちゃん…
晴海「もしもし 純?」
純「あ もしもし お母ちゃん 今どこ?」
晴海「ちょっと 外なの。」
純「ああ あのさ。 ちょっと大事な話しがあるから 今日会えないかな?」
晴海「じゃあね。」
純「ちょっと 待ってよ お母ちゃん 待ち合わせ…(通話が切れる)」
愛「あ 純さん。」
純「あ。」
愛「お義母さん 道に迷われたみたいです。」
里や
純「女将さん あの ちょっと 母と話しがあって 借りていいですか?」
サト「どうぞ どうぞ ウチは暇ですから。」
純「すみません。」
サト「おかあさん いらっしゃい。」
晴海「どうも すみません。」
純「愛君も座ったら?」
愛「ああ いや あの僕 1本電話をしてもいいですか? すみません。」
晴海「純 大変なのよ。」
純「あのさ そのこと なんだけど お母ちゃん あんまり落ち込まない方がいいからね。」
晴海「え? あんた知ってるの おとうさんのこと?」
純「え? お父ちゃんがどうかしたの?」
晴海「それがさ あの あのさ… あの… なんだったっけ?」
純「え?」
晴海「だから…。」
愛「ああ あの お義母さん 病院に行ったら 保険証が失効してるって言われて それはきっと お義父さんが仕事を辞めたからだと推測されるんですけど 今電話したら お義父さん 結構前に 仕事辞めちゃってるみたいで… すみません すみません。」
晴海「今でも 毎日会社行くフリしてるさ おとうさん。」
純「ええ?」
晴海「どうしよう 純?」
純「面倒くさいけど はっきり言うしかないんじゃない? もう ウソつくのやめろって?」
晴海「じゃあ お願いね 純。」
純「え? なんで私が言うのよ?」
晴海「呼んでるから おとうさん。」
純「ん?」
こういうのは フットワーク軽いんだから お母ちゃん。