直子『なるほどな。 オハライトコで シルバー向けブランド ぶち上げる。 そら そのアホぼんらも 目ぇの付けどころは ごっつい ええけどなあ。 せやけど お母ちゃん やめときや。』
糸子「うん?」
直子『プレタちゅうんは ほんまのほんまに 大変な仕事やさかい お母ちゃんの年では 無理やで。』
糸子「分かってるわ! 別に あんたに言われんかて はなから プレタなんか やる気ないわ。 うちは オーダーメードの職人やさかいな。」
直子『ほんなら ええけど。』
糸子「こんなアホ 言うてきた子がおった ちゅう それだけの話や。」
糸子「ごちそうさん。 後片づけ しといてな。」
里香「えっ 今日 おばあちゃんじゃん。」
糸子「うちは 今日は いつもより くたびれてるやろ? 見て 分からへんか?」
里香「分かるけど…。」
糸子「あんたも 若いんやさかい たまには『うちが代わるで』くらい 言わんかいな! さあ! 風呂 入ろ。」
<は~ 難しいなあ 年寄りちゅうんは ほんまは 年寄りかて 機嫌ようしてたい せやけど 体が それを許さん 痛い膝 痛い腰>
階段
糸子「重たい体やなあ…。 ああ~っ!」
リビング
(階段から落ちる音)
里香「おばあちゃん?! おばあちゃん?! おばあちゃん! おばあちゃん どうしたの?!」
糸子「ああ… うう…。」
里香「おばあちゃん おばあちゃん 大丈夫?! おばあちゃん! 救急車 呼んでくるね。」