連続テレビ小説「カーネーション」第19回「誇り」【第4週】

山口「女やからやで。」

糸子「え…。」

山口「男のわしより お前の方が クビにしやすかったんや。」

糸子「そら そうかもしれん。」

山口「お~い 悔しがれや お前 もっと!」

糸子「はあ?」

山口「お前の方が わしより 仕事できんのに 女やからちゅうだけで 先 クビになったんやで?!」

糸子「分かってますわ。 そんな しつこう言われんかて!」

<何が言いたいんじゃ こいつ!>

山口「負けんなや。」

糸子「はい。」

山口「ほなな。」

糸子「あの…。」

山口「ん?」

糸子「ひょっとして それ 言いに来てくれたんですか?」

山口「ちゃう!」

小原家

子供部屋

<今まで 新聞なんか よう読んだ事もなかったけど その日ぃだけでも 不況の字は 36個もありました>>

糸子「だあ! あ~。 こんなん 夜 読んだら あかん。 朝 読もう。 朝! だあ!」

居間

妹達「おはようさん。」

善作「おう。」

糸子「あんたら もう学校か?」

静子「そうや。 昨日で 夏休み 終わりやもん。」

糸子「そうか…。」

静子「うん。」

善作「ほな いただきま~す。」

一同「いただきま~す。」

<夏も終わって これからは アッパッパも もう売れんようになります。 はよ どないか せな>

糸子「今日は 夏木町の方 行こう思てんねん。」

善作「ほうか。」

糸子「うん。 行ってきます。」

ハル「うん。 行っちょいで。」

千代「行っちょいで。」

糸子「行ってきます。」

千代「気ぃ付けて。」

町中

(ハイヒールの靴音)

小原家

小原呉服店

木之元「毎度! 糸ちゃん いてるか?」

善作「おらん。」

木之元「何や どこ 行ったんよ? パッチ屋 クビになったん ちゃうん?」

善作「新しい仕事 探しに行ってんや。」

木之元「ははあ~。」

善作「あのな 世の中の人ちゅうのはな そんな お前みたいに ヘラヘラ ヘラヘラしてへんねん。」

木之元「ふ~ん ほうかあ。 せっかく 気晴らしに ええもん 見せちゃろ思たんやけどんなあ。」

善作「ちょっと待て!」

木之元「あ?」

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