連続テレビ小説「カーネーション」第32回「乙女の真心」【第6週】

道中

駒子「そうや。」

糸子「ん?」

駒子「ようゆわんわ。 うちまだ お金 払てへんやん。 何ぼ?」

糸子「ええわ。」

駒子「えっ?」

糸子「また次 作りにきてくれる ちゅうたやろ?」

駒子「そら言うたけど けど あかんて そんなん。」

糸子「ええねん ほんまに。」

駒子「え!」

糸子「うち 駒ちゃんが 最初の お客さんで ほんま よかった。 ほんまに ええ仕事さしてもうた。 どんなもん作ったら お客さんが喜んでくれんのか お客さんが喜んでくれる ちゅうんが どういう事か ごっつ勉強になった。 あとは 駒ちゃん その服着て どんどん出歩いて。 心斎橋でも新地でも 絶対 恥ずかしないよって。 ほんで 小原洋裁店 どんどん宣伝してくれたら うち そんで十分や。」

駒子「分かった。」

糸子「な!」

駒子「けど 覚えててや。 うちかて借りは 返すよってな。」

糸子「うん おおきに。」

駒子「こっちが おおきにや。」

糸子「フフフ! ほな 気ぃ付けて。」

駒子「ほなな また すぐ行くよって。」

糸子「うん。」

<ごっつ ええ気分でした うちは大物やと思いました。 器のでかい 情の深い 一流の人間やと思いました>

小原家

小原呉服店

糸子「ただいま!」

善作「お! 帰ってきよった。」

糸子「え?」

善作「山本さんや お前 覚えてるか?」

糸子「ああ お父ちゃんの謡の お弟子さんやった?」

山本「そうそう。」

善作「山本さんの お嬢さんが 洋服 頼みたいちゅうて 来てくれたんや。」

糸子「そうですか! おおきに!」

山本「いや 娘がな このごろ 洋服着たい 洋服着たい 言うんやけど 岸和田に 洋裁屋ちゅうもんが ないやろ? 諦めえ ちゅうちゃったんやけど さっき 木之元さんとこで お宅の このチラシ見たよって 寄らしてもうたんやし。」

糸子「任しておいて下さい! 今かて お客さんに ごっつ喜んでもうたとこですわ。」

山本「あ そうか ほな 明日でも 娘 連れて また寄らしてもらうよって。」

糸子「はい よろしゅうお願いします。」

山本「ほな 先生 お邪魔しました。」

善作「おおきに!」

山本「お願いします。」

糸子「おおきに!」

善作「おい 調子ええな。」

糸子「うん やっぱし チラシちゅうんは ばかにでけへんなあ。」

善作「こら 思たよりお モノになるかもしれんのう。 で… お前 結局 今日 何ぼ 集金してきたんや?」

糸子「え?」

善作「今日もうたうち 2円50銭が生地代。 言うたら これは元手や。 残りの金で 次の生地 買わんならん。 残ったんが お前の縫い賃や。 それを どんくらいにするのか ここは よう考えにゃならんのう。 ほんで お前 今日 何ぼ集金したんや? 何ぼやねん?」

糸子「堪忍!」

善作「何や?」

糸子「もうてへんねん。」

善作「へっ?」

<ほんなら まあ そのあとは>

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