小原家
小原呉服店
(ミシンの音)
ハル「また あんた 何で こんな仕事 引き受けてくんよ?」
糸子「堪忍。 ほんま 堪忍。」
清子「けど うちは うれしいわ。 久しぶりやわ。」
千代「あれ 思い出さすなあ。 心斎橋の。」
光子「百貨店の制服やろ?」
静子「こないだ 前 通ったら 店員さんら やっぱし あれ 着ちゃあったわ!」
3人「へえ~!」
千代「お母ちゃんも 見に行こかなあ?」
清子 光子「うちも!」
千代「へえ~ 見たいなあ。」
(ミシンの音)
<ほんな訳で…>
末松商店
店内
<うちは 晴れて 店に出させて もらえる事になりました>
糸子「よっしゃ! 繁盛させちゃるで!」
糸子「悪い事 言わへんて こっちに しといた方が よろしいて!」
「あかん あかん。 こんな ええ生地 ぜいたくすぎる!」
糸子「いやいや 生地っちゅうんは ちょっと ぜいたくや思ても ええのんに しといた方が 長持ちしますよって。」
「要らん 要らん!」
「敷布にするよってな…。」
<お客さんは 大体 買うもんを 決めちゃあって それ以上 買う事は ほとんど ありません>
糸子「15尺に しといた方が ええんと ちゃいますか?」
「何でよ? 12尺しか要らんのに!」
<生地屋を繁盛さすっちゅうのは 思たより難しい事でした>
玄関前
店主「ちょっとも繁盛せんけど いつ すんねや?」
糸子「します もうちょっとしたら。」
店主「ほう~。」
糸子「見といて下さい。 絶対 繁盛させますよって。」
店主「まあ セーラー服さえ きっちり仕上げてもうたら うちは構わんけどな。」
糸子「どこ 行くんですか?」
店主「本屋や。 せっかく 店番が も一人 いてるさかい 立ち読みでも してくら。 ハハッ!」
店内
ヤス子「ちょっと すんません。」
糸子「はい いらっしゃい!」
ヤス子「あんなあ 洋服を 縫うてみたいんやけどな ワンピース1着ちゅうたら 生地 どんくらい要るもんやろ?」
糸子「ワンピースは お客さんが着るんですか?」
ヤス子「そやねん。 そやけど 初めて縫うよって 要領が よう分からへんやし。」
糸子「はあ… 任して下さい!」
<こと 洋服となると うちは また 儲けやら 繁盛やら どうでもようなって とにかく お客さんに 似合うもんを着せちゃりたい>
ヤス子「ちゃうん ちゃう?」
糸子「うん。」
糸子「やっぱし これの方が ええんと ちゃいますか?」
ヤス子「ほんまじょ! やっぱり これやな!」
糸子「うん!」