玄関
縫い子「お疲れさんです~!」
勝「お疲れさん!」
昭和12年(1937)9月
縫い子「お疲れさんです~!」
勝「お疲れさん!」
小原洋装店
糸子「今日は もう 店 終わったよって…。」
縫い子「お疲れさんです~!」
糸子「お疲れさん! ほな 今から迎えに行くわ。」
河原
糸子♬『烏 なぜ啼くの 烏の山に』
<忙しい一日が終わって 優子を おぶって歩く。 この時間が うちは しみじみと好きでした。 そやけど 何でか知らん 優子と おると うちは 自分が弱なった気ぃがします。 こんな ふにゃふにゃした子が しっかり 大きなるまで 何事も起こらんといて くれるやろか 世の中は 平和であってくれるやろか そんな事ばっかし 思います>
(自転車のベル)
糸子「おう! うん? 何や?」
(ため息)
糸子「また 女にでも振られたんか?」
勘助「ううん。」
糸子「とうとう 菓子屋のおっちゃんに 愛想でも尽かされたんけ?」
勘助「ちゃう!」
糸子「ほな 何や?」
勘助「赤紙 来てもうた。」
糸子「えっ?」
勘助「赤紙や。」
(ヒグラシの鳴き声)