玄関前
善作「はあ~!」
千代「なあ おとうちゃん ええ店に なりましたやろ?」
善作「ふん! カタカナやて。 何じゃ? 洋装店て。」
千代「このごろは 洋裁店より 洋装店ちゅうた方が しゃれとんやて。」
善作「けっ!」
小原洋装店
善作「へえ~!」
<新しく縫い子も雇いました>
善作「静子は どないや? ちっとは役立ってるか?」
糸子「まあ ぼちぼちな。 まだ ちょっと 甘ったれたとこ あるけどな。」
善作「せやけど お前 あんまし 事 せくなよ。」
糸子「えっ?」
善作「欲張って 急に 店 大きいしたろうやら 考えんな。 店ちゅうのはな おできと同じや。 急に大きいしたら あとは 潰れるだけじゃ。」
糸子「うちの店は おできと ちゃうよって。」
善作「ものの例え 言うとんのじゃ。」
糸子「ふ~ん…。」
善作「そんで どないやねん? その… おなかの子は。」