連続テレビ小説「カーネーション」第48回「果報者」【第8週】

糸子「もう 重たて重たて かなわんわ。 はよ出てくれな。」

千代「ちょっと… ちょっと触らして。」

善作「ヘヘヘッ。」

千代「あ~ 動いてやる~! はよ出てきいなあ。 みんな 待ってるよってなあ。」

<おなかの子は 何の問題もなく 産み月を迎えてくれてたもんの うちとしては『せっかく 店 新しいしたとこやのに やっかいやなあ。 まあ 産むだけ産んだら その日のうちから また 店 出ちゃろ』そんな事 思っちゃあったんやけど>

2階 寝室

糸子「うう~ん…。」

<思い上がりも ええとこでした>

糸子「うう~ん… う~ う~ う~!」

千代「あの~ そろそろ お湯 沸かしましょか?」

産婆「いんや まだまだ。」

千代「ほな お昼御飯 用意させてもらいましょか。」

産婆「そやな。」

糸子「ああ~ あ~ あ~ あっ!」

産婆「だけどまあ それが 世の習いちゅうもんやよって。」

ハル「ほんまやなあ。 せやけど うちらの若い時分は そんな事 思てもみんかったけどな!」

産婆「ほんまやで。」

糸子「あ~ あ~ ああ~!」

ハル「まだまだ もっと気張らなあかんで。」

産婆「ほんま。」

ハル「頑張りや!」

糸子「あ~ あ~ あ~!」

<そんだけ しんどい お産のあとに…>

糸子「ああ~!」

産婆「よし よし。」

ハル「よかったなあ!」

千代「よかった… ほんまに よかったあ! よう 頑張ったなあ!」

<店なんか出られる訳ない。 3日間 ひたすら寝ちゃると 思いました。 ところが…>

(泣き声)

糸子「う~ん…。」

(泣き声)

<赤ん坊ちゅうんは 寝かせてくれるもんや ありません>

(泣き声)

(小鳥の鳴き声)

<けど 一番 思いも寄らんかったんは とにかく この… 赤ん坊の かわいさです>

糸子「かわいなあ。」

<それと もう一個は…>

居間

<この お父ちゃんの のぼせっぷりです>

善作「ええ子じゃ ええ子じゃ!」

(泣き声)

善作「えい えい!」

(泣き声)

ハル「おなか減ってん ちゃうか? 貸してみ。」

善作「嫌じゃ。」

ハル「何で?」

善作「何人 育てたと思てんじゃ。 わしが 泣きやます。 のう!」

(泣き声)

善作「何? えっ? おじいちゃんに だっこしてもらいたい? すごいなあ! こいつ。」

糸子「優子。」

ハル「優子! おりゃ!」

(笑い声)

善作「あのなあ…。」

糸子「えっ?」

善作「明日から 昼間は わしが 優子の面倒 見ちゃら。」

糸子「はあ?」

善作「お前な 乳飲み子 背負て 本気の仕事は でけんど。 で しゃあない。 わしに任せ。 心配すな! なあ はよ 貸せ! ああ はよ! ほら! ああ はよ! はよ! あ~ はよ! はよ! ああ もう! よし よし よし! はい! やややや や~! よち よち よち… ほらほら ほらほら…。 なあ! 明日からな 善ちゃんが なあ 世話しちゃるよってな~! ハハハハッ うれしいて!」

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