連続テレビ小説「カーネーション」第59回「秘密」【第10週】

善作「よう!」

木之元「毎度!」

昌子「あれ いらっしゃい!」

善作「おい 糸子。」

糸子「何?」

善作「勝君 まだ 大阪にいてるらしいで。」

糸子「え?」

木之元「わしの知り合いに その辺の情報通がいててな。 何でも そいつに聞いたら 教えてくれんやし。 勝君 年明けまでは 内地にいてんやて。」

糸子「へえ…。」

善作「試しに明日 面会に行っちゃろやないか。」

木之元「会わせてもらえるかどうかは 分かれへんけどな。 そやけど 会えたっちゅう奴も いてるらしいで。」

善作「せやで 正月用の餅1個でも 差し入れできたらなあ。」

木之元「いや~ そら 無理ちゃうか さすがになあ。」

糸子「うちは 行けへんで!」

善作「何でや?」

糸子「何でて…。 何でて お父ちゃんこそ 何でや?」

善作「ああ?」

糸子「うちの親父やったら あの婿 何してんやちゅうて もっと 腹立てても ええんちゃうんか!」

善作「ああ…。 ああ あんなもん お前 大した事やないわ。」

糸子「はあ?」

善作「そらな そこに いてんやったらな ちょこっと 小言のひと事でも 言うちゃろかちゅう気にも なるけどやな。 相手は 出征してしもてんやで お前。 これから 大事な戦争に 行かな ならんのに…。」

糸子「関係ないわ そんなもん!」

善作「わめくな! 男の浮気に一つや二つで!」

昌子「う… 浮気?! やっぱし 浮気しちゃったんんですか? 大将!」

木之元「まあまあ けど 糸ちゃん ほんま 男の浮気に一つや二つな。 うわ~!」

<はあ~ 男っちゅうもんは!>

昌子「ちょっと先生!」

<分かった。 よう分かった うちのお父ちゃんも 木之元のおっちゃんも>

玄関前

木岡「よう 糸ちゃん! ええ?」

<木岡のおっちゃんかて 男は みんなで こう言うんや。『男の浮気の一つや二つ どうっちゅうこちゃないよ。 堪忍したれ~』。 どうっちゅう事 あるかないかは 女が決めるんじゃ! 男同士ちゅうんは 何で あんな腐ってんねん! 女同士は そんな甘ったるないで! うちらは もっとな! もっとこう… 何ちゅうか>

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