連続テレビ小説「カーネーション」第64回「切なる願い」【第11週】

オハラ洋装店

<その勝さんから 葉書が来ました>

糸子「元気そやな…。 ちょっと 昌ちゃん。」

昌子「はい。」

糸子「大将から 葉書や。」

昌子「へ?! 大将から?!」

糸子「子供らに読んじゃって。」

昌子「そら 先生が 読んじゃったら ええやないですか。」

糸子「うちが読むより あんたが 読んだ方が 子供らには ええねん。」

昌子「はあ? ああ そうか 先生が読んだら 声に 余計な恨みが 籠もってまうよってなあ。」

糸子「要らん事 言わんでええさかい はよ 上 行き。」

<うちにとっては 腹立つ浮気亭主でも 子供らにとっては 恋しい お父ちゃんです>

2階 寝室

昌子「『優子 直子 そして おなかの子』。

<無事で帰ってきてくれんと 困ります>

昌子「『1月8日 父は 無事に…』。」

オハラ洋装店

<どうか無事で… いや… どんだけ変わり果てた姿に なったかて 帰ってさえきてくれたら どっさり食べさして ゆっくり寝さして 元気にさして>

糸子「ほんでから こってり 油 絞っちゃるんや! あ… あ~! ああ?! どないしよ~?! あ~。」

<ところで モンペ教室は 繁盛してました>

昌子「はい 次の方!」

「悪いけどな 今日は 1円しか払われへんやし あとは これで どないか 堪忍して もらわれへんかの?」

昌子「はあ ほな 今日だけ また 次 持ってきて下さい。」

「おおきに!」

昌子「はい。」

「こんにち…。」

昌子「はい! 今の人で 定員いっぱいです。」

「えええ? 何でよ? ちょっと 定員って 何人よ?」

昌子「8人です。 また 次 木曜あるんで そん時 来て下さい。 おおきに。」

「もう しゃあないな。」

昌子「すんません。」

「木曜やな!」

ヤス子「ちょっと うち 木曜やったら 間に合わへんやし。 隅っこの方で ええさかい 頼むわ なんとか座らしいてえな。」

昌子「せやけど 狭なるし 他のお客さんかて 場所…。」

ヤス子「頼むて~! このとおりや!」

昌子「いや せやけど…。」

ヤス子「な?!」

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