連続テレビ小説「カーネーション」第79回「明るい未来」【第14週】

金物屋

八重子「はあ…。」

昌子「先生。」

糸子「うん?」

昌子「こっからは 先生の番ですよ。 しっかり 値切って下さい。 しっかり。」

糸子「分かってるわ。」

糸子「せやかて ここかて こない えらい錆も 来てますわ。」

「けどさ お宅 これ もう 東京で 1台っきりだよ。」

八重子「糸ちゃん うち もう この値で ええわ。」

糸子「ほれ! ここかて こない なってますやん。 ほら!」

八重子「糸ちゃん もう ええて! うちは この値で ええでって。」

糸子「八重子さん 黙っといて!」

八重子「何でやの?! うちが この値ぇで ええ 言うてんやから ええやんか!」

糸子「ええ事ない! 商売ちゅうんは でけるとこまで やらんと あかんねん! そんな甘っちょろい事 言うてたら あかんねや!」

八重子「甘っちょろい気持ちなんかで 言うてへん うちは この値ぇで 本気で納得してるんや!」

糸子「納得 うちは でけへんのや!」

八重子「こんな ちょっとぐらいやったら 使えよったら ええねん!」

糸子「使われへんわ こんなん。」

八重子「使えるよ。」

糸子「壊れてんねんで これ!」

昌子「んも~… ええから はよせんと 明るいうちに 宿へ行けませんよ!」

<残念ながら そんなには まからんかったけど どないか無事に パーマ機は買えて 八重子さんは 夢見心地なようでした>

宿屋

「よいしょ。 うえ~…。」

昌子「これ この人らと 雑魚寝ちゅう事ですよね。」

「うわ~ 暑いな おい!」

糸子「こないして 寝よよ。 こないして。」

昌子「お金は 肌身離さん方が よろしいで!」

糸子「大丈夫 大丈夫。 うちな ここに 帯に 縫い付けてあるんやし。」

昌子「へえ?!」

八重子「どれ?」

糸子「ほれ。」

昌子「はあ!」

糸子「明日は こんで たんまり 生地 買わんならんさかいな。 何があっても 守っちゃんで。」

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