千代「あの~!」
北村「はあ?」
千代「今 お独りなんですかあ?」
北村「はあ~ そこですわ お母さん。」
千代「はあ。」
北村「恥ずかしい話 そうですねん。」
千代「あの~ うちのこれ 娘3人 いてますんやけど どないやろ?」
糸子「お母ちゃん 余計な事 言いな!」
千代「そう ハハハ! すんません。」
北村「いや~ でも ほんまに こう 家に女がおるっちゅうのは 何ちゅうんやろな そんな 変な意味 違うてやで こう… ええもんやなあ。」
昌子「え? 泣いてる。 何で泣くんですか!」
北村「いやいや…。」
(笑い声)
北村「泣いて… 泣いてない! 泣いてないて。」
糸子「まあまあ 飲みぃな!」
北村「おおきに。」
千代「やれやれ。」
北村「泣いてない。」
(朝食の準備の音)
糸子「聡子 新聞 取っちょいで。」
聡子「は~い。」
糸子「おっちゃん 寝てるよって 起こさんようにな。」
心斎橋 北村の工場
北村「あ~!」
糸子「おはようございます!」
周防「おはようございます!」
北村「わいな… 女も服も よう分かれへん。 せやから 全部 こいつに任せら。 ほなな。」
周防「何のあったとですか?」
糸子「は… よう分かれへんけど 毒気を抜いてもうたみたいで。 お母ちゃんが。」