一恵「フッ…。」
榊原「えっ…?」
一恵「フフフフ…。」
榊原「何か変なこと言うたかな?」
一恵「いや… 言うてることは おかしないけど…。 けど そんな大事なことを ひなちゃんち そんな姿で…。」
(笑い声)
ひなた「ホンマですよ 榊原さん。」
すみれ「真面目も行き過ぎると滑稽よ!」
(笑い声)
榊原「まあ ええわ。 一恵ちゃんが機嫌よう笑てくれたら それで。」
玄関前
すみれ「あ~あ ばかばかしい。 いい大人がする恋愛じゃないわね。」
ひなた「すみれさん。 もうちょっと飲みますか?」
すみれ「ううん。 ひなた。 聞いてるわよ。 ハリウッド映画の話。 これまでのキャリア 無駄にしたくない。 出演が決まるまで断酒するわ。」
ひなた「フフフッ…。 頑張ってください。」
すみれ「私を誰だと思ってるの? 美咲すみれよ。」
(笑い声)
居間
一恵「はい。」
榊原「ありがとう。 おいしい。」
一恵「よかった。 フフフッ。」
榊原「えっ 何?」
一恵「ううん。」
別日
♬~(テレビ)
ひなた「頂きます。」
テレビ『ランドセルは学校が始まってからに しなさいて言うてるやろ』。
るい『ただいま~。』
回転焼き屋・大月
ひなた「あ~! お帰り~!」
るい「ただいま。」
ひなた「思たより はよ着いたなあ。」
トミー「おう ひなたちゃん。」
ひなた「トミーさん。 お帰りなさい。」
るい「付き人さんの車で送ってくれはったんや。」
ひなた「ああ… 何から何まで すいません。 お世話になりました。」
トミー「いいや。」
ひなた「うん? あれ? お父ちゃんは? 今ちょうど 『やんちゃくれ』最終回やってる。」
るい「ピアノ弾きに 稽古場行ってるわ。」
ひなた「えっ?」
トミー「空港から直行や。」
ひなた「な… 何で?」
トミー「じっとしてられへんのやろ。 まあ そらそうや。 初めて本場のジャズ聴いたんやからなあ。」