連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第101話「1994-2001」【第21週】

居間

るい「トミーさんのステージで 1曲上がらせてもろて…。 あっ すいません。 『あかん あかん』 もっともっと練習しな」言うて。」

トミー「俺から見たら上出来やったけどな。」

るい「ありがとうございます。」

トミー「ジョーより すごかったんは サッチモちゃんやで。」

ひなた「えっ?」

るい「言わんといてください。」

トミー「フフフッ クラブで オープンマイクいうのがあってな。」

るい「トミーさん 言わんといてて。」

トミー「誰でも飛び入りで歌えるんや。 それ聞いて サッチモちゃんが…。」

ひなた「えっ… 歌たん!?」

るい「ちょっと… 酔っ払ってたんや。」

ひなた「ええ~!」

トミー「アメリカ人も 『うわ~!』 拍手喝采や。」

ひなた「すごいな お母ちゃん。 私 絶対できひんわ。」

トミー「サッチモちゃんは 度胸あるからなあ。 ほな 俺は ここで。」

るい「いや 上がってってください。」

トミー「ベリーにお茶に誘われてるんや。」

るい「あっ お茶室。」

トミー「アメリカ帰りの一服は 最高や。」

玄関

ひなた「ありがとうございました。」

るい「ありがとうございました。 一子さんに よろしゅう。」

ひなた「お母ちゃんも上がって一服しい。」

回転焼き屋・大月

るい「うん。 なあ ひなた。 あんこ作ったある?」

居間

るい「すごいやない ひなた。 こんなん英語で書くやなんて。」

ひなた「まあな。 ちょっと おっきい仕事が控えてるさかい 頑張ってしもたわ。 はい どうぞ。」

るい「ありがとう。 頂きます。 はあ… おいしい~。」

ひなた「フフフフフッ。」

るい「やっぱり あんこの味が一番やわ。」

ひなた「最近は だんごに押され気味やけどな…。」

るい「うん?」

ひなた「ううん。 フフフフッ。」

るい「う~ん。」

ひなた「ええ顔やなあ。」

るい「ええっ?」

ひなた「いや ここんとこ 店番してて思たんや。」

るい「うん。」

ひなた「怖い顔して お菓子食べる人は いてへんやん?」

るい「そうやねえ。」

ひなた「怒ってても 疲れてても 悩んでても 自然に明るい顔になる。 見てて うれしなるわ。 フフフッ。 それで? 何か分かったん? おばあちゃんのこと。 その… ロバートさんが シアトル出身いうことまでは 分かってたんやんな?」

るい「うん。 行く前には シアトルの 日系人の団体に手紙も送ったんや。」

ひなた「おお。 何か ネットワークありそうやな その団体。」

るい「直接 訪ねて いろいろ相談さしてもろて…。 向こうでも 手ぇ尽くしてくれたはるけど…。」

ひなた「う~ん… 広いからなあ アメリカは。」

るい「うん…。」

ひなた「まあ また行ったらええやん。 お父ちゃんの音楽に連れてってもらい。 フフッ。 なあ。 何 歌たん?」

るい「えっ?」

ひなた「その オープンマイクいうやつで。」

るい「もうええやない その話は。」

ひなた「もちろん英語の歌やんな?」

るい「もうええて…。」

ひなた「『サニーサイド』? フッ やっぱり。 おばあちゃんに向けて歌たんやろ?」

るい「うん…。」

ひなた「届いたらええなあ いつか。 食べえ。 フフフフッ。」

るい「おいしい。」

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