連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第106話「2001-2003」【第22週】

回想

千吉「足袋ゃあ 作り続けてくれ。」

勇「もちろんじゃ。 足袋ゃあ 雉真の1番バッターじゃからのう。」

回想終了

勇「雉真の足袋が… こねえな形で ひ孫の仕事の役に立つたあ。 父さんも 草場の陰で どねえに喜んどるじゃろう…。 作り続けてよかった。 守り続けてよかった。 わしゃあ 今 心から そねん思う。」

(泣き声)

喫茶店・ディッパーマウスブルース

(拍手)

慎一「ありがとうございました。 はあ~ 夢みたいです。 こんな小さな喫茶店で トミー北沢と 大月錠一郎が演奏してくれるなんて。」

るい「どこでも気分が乗ったら 演奏しはるんや。」

慎一「ツアー帰りに寄ってもらって セッションなんて 感激です。」

(足音)

慎一「じいちゃん。 じいちゃんってば。」

健一「うるせえのお。 わしゃあ 今 余韻に浸りょんじゃ。」

錠一郎「ますます定一さんに似てきたなあ。」

健一「アッハハッ。」

(せきばらい)

健一「錠一郎君。」

錠一郎「はい。」

健一「トミーさん。 クリスマスッフェスチバルに 出てもらえんじゃろうか?」

錠一郎「クリスマスッフェスチバル?」

トミー「クリスマスフェスティバル?」

慎一「じいちゃん。 駄目だよ そんな無理なお願いしちゃあ。」

健一「何でなら。」

慎一「何でって…。」

トミー「何なの? それ。」

慎一「ジャズのコンサートです。 クリスマスの。」

るい「えらい急な話やねえ。」

慎一「あっ 今年じゃなくて 来年のクリスマスです。」

錠一郎「ああ 来年か。」

慎一「地元のイベントなんです。 場所だって小さいですし。」

錠一郎「どこ?」

慎一「偕行社です。」

錠一郎「偕行社?」

健一「ああ。 陸軍将校の社交場があった場所じゃ。」

トミー「ああ。 昔 進駐軍に接収されてたいう建物か。」

るい「ジョーさん。」

錠一郎「うん。」

トミー「何や?」

錠一郎「あっ いや… 僕がジャズに出会った場所や。 定一さんが 酔っ払って 『サニーサイド』歌ったステージ。 あれも クリスマスやった。」

トミー「ああ そういうことか。」

慎一「どうして ひいじいちゃんが 進駐軍のステージで歌うの?」

健一「知らん。 じゃから 酔っ払っとったんじゃろう。」

慎一「ええ… すごい度胸だな…。」

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