安子「はい。 子供の名前は 稔さんが付けてくださいね。」
稔「気が早えな。」
安子「フフフフッ。 すみません。」
稔「実は もう 決めとるんじゃ。」
安子「ええっ! 稔さんの方が気が早えわ。」
稔「ごめん。」
安子「しゃあけど 男の子か おなごの子かも 分からんのに?」
稔「ああ 男の子でもおなごの子でも 外国でも通用する名前じゃ。」
安子「何ですか?」
稔「秘密じゃ。」
安子「えっ… え~ 嫌じゃ。 教えてください。」
稔「だ~め。」
安子「稔さん 意地悪せんでください。」
稔「だ~め!」
安子「稔さん!」
稔「生まれてからのお楽しみじゃ。」
安子「はい。」
<安子と稔が一緒に暮らせたのは ほんのひとつき足らずでした。 Yasuko and Minoru lived together for less than a month. 短いけれど 幸せな日々でした。 lt was a short but blissful time>