安子「何か… 元気になれるんです。 あの歌 聴きょおったら。 平川先生の温けえ声 聴きょおったら。 大丈夫 どねんかなる。 明日も頑張ろう いう気になれるんです。 しゃあから…。」
澄子「毎日 来たらええ。 外やのうて ここで火鉢にあたりながら 敏夫と博子と一緒に ラジオ聴いたらええ。」
安子「じゃけど…。」
澄子「あんたのためやない。 この子のためや。」
安子「ありがとうございます。 ありがとう。 これ。 出来ました。」
澄子「あっ ありがとう。 うわ~。 わっ あんた 手早いのに 丁寧な仕事やわあ。」
<小川家のお母さんは ご近所さんたちを当たって 安子に繕い物の仕事を紹介してくれました>
町中
安子「ありがとうございます。 それと これ。 おまけの芋アメです。」
「ええの?」
安子「どうぞ。」
<安子は 繕い物を注文してくれたお客さんには 芋アメをおまけにつけました>
安子「また いつでも どうぞ。」
「また頼むわ。」
♬『How do you do, and how are you? Won‘t you have some candy? One and two and three, four, five? Let’s all sing a happy song Sing tra la la la la』
<安子が工夫を重ねた おいしい芋アメは 評判を呼び やがて 売り歩かなくても 注文だけで なんとか生活ができるようになりました>
るい♬『カム カム エヴリバディ』
安子「るい? 今…。」
るい♬『カム カム エヴリバディ』
安子「ハハッ! るい! るい! フフッ! 稔さん。 稔さん。 るいが初めてしゃべりました!」
<るいが初めてしゃべった言葉は 『カム カム エヴリバディ』でした>