連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第41話「1951-1962」【第9週】

「すいません。」

るい「わっ! あっ…。」

宇宙人「出来てます?」

るい「はい。 よかったです。 取りに来てもろうて。 お名前う 聞き忘れてしもうたから。 ひとつき以上も来とられんから どねえしようか思よったんです。」

(指で カウンターをたたく音)

るい「(心の声)『な… 何? 早うせえいうこと? こっちがイライラするんじゃけど。』お待たせしました。」

和子「るいちゃん。 後で こっち お願い。」

るい「はい。 え~ 2,040円です。」

宇宙人「はい。」

るい「(心の声)『こねえな大金を無造作に…。 何で稼いだお金じゃ? 怖んじゃけど…。』はい。」

宇宙人「これ お願いしますね。」

るい「はい…。(心の声)『またじゃ…。 一貫性のねえ服の数々。 どのシャツにも ちいとる 胸のケチャップ。 何か 今回は丸首シャツが多いなあ…。 うん?』」

るい「お客さん ポケットに何か…。 はあ…。 また 名前う聞きそびれてしもうた…。 何じゃろう…。 見るんが怖え…。」

るい「ナット?(心の声)『…にしては 妙な形じゃなあ。 何かの部品じゃろうか? やっぱり 工場で働きょおる人?』

<宇宙人の正体の手がかりは 一向につかめませんでした>

居間

てる子「ごめ~ん! 今日 もう しまい?」

和子「あら 山崎さん。 ええよ。」

てる子「うちの人の冬もん 1枚出し忘れとったんやわあ。」

和子「はいはい。 え~っと ジャケットね。」

てる子「うん。」

和子「はい。 え~… あら 中に何か…。」

てる子「えっ? 『バー あや子』? もう あのぼんくら亭主! 大した稼ぎもないのに こないなとこ!」

和子「晩ごはんのおかず 1品減らしたり。」

てる子「いや 今日は 晩ごはん抜きや。」

和子「えらい厳しいな。」

てる子「あや子に食べさせてもうたらええねや。」

平助「ハハハッ あかん。 あそこのママの 出しよるもんは 食えたもんやあれへん。」

和子「あんた。」

平助「うん?」

和子「何で知ってんねん。 あんたも晩ごはん抜きや!」

平助「そんな殺生な…。」

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