連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第66話「1965-1976」【第14週】

一子「私も食べてみたけどな 回転焼きと たい焼きは似て非なるもんやわ。」

るい「そうなん?」

一子「回転焼きは こう… ふんわりしてるやろ?」

るい「うん。」

一子「たい焼きはな 何て言うか こう… 皮がパリッとしてて その口当たりが絶妙なんえ。 あれはあれで おいしいわ。」

るい「どないしよ…。」

一子「あんたなあ こないな あんこ作れるんやから もっと本格的な和菓子屋さんしたら? 1個60円の回転焼き作ってるより もうかると思うけど。」

<それは るいも何度も考えたことでした。 けれど 商売の手を広げる気には どうしてもなれませんでした>

回想

るい「はい どうぞ。」

「ありがとう。 るいちゃん。」

安子「ご苦労さまでした。」

回想終了

<つつましく暮らせれば それでいい。 その時が一番幸せなのだ。 るいは 心のどこかで いつも そう思っていました>

居間

ひなた「明けましておめでとうございます。」

錠一郎「はい おめでとう。」

るい「ひなた おめでとう。」

ひなた「うん。」

(笑い声)

錠一郎「るい。」

るい「はいはい。 じゃあ お父ちゃんから。」

錠一郎「ひなた。」

ひなた「はい!」

錠一郎「はい お年玉。」

ひなた「お父ちゃん。 お母ちゃん。 ありがとう!」

広場

一恵「ひなちゃ~ん。」

ひなた「いっちゃ~ん。 あ~あ 今年も岩倉具視やった。 あ~!」

一恵「やった!」

ひなた「もう…! ううっ。 ん! えっ 何…?」

(笑い声)

ひなた「もう~。 まだ当分 空き瓶拾わんとあかんわ。」

一恵「若い身空で大変やなあ。」

小夜子「頑張って。 ひなちゃん。」

ひなた「うん。 ありがとう。」

小夜子「さっ やろやろ。 ねっ。」

一恵「うん。」

ひなた「あっ! いっちゃんと 小夜ちゃんも 行かへん?」

2人「えっ?」

ひなた「モモケンのサイン会!」

一恵「チャンバラ興味な~い。」

ひなた「あ… やっぱり。」

小夜子「私 行こかな。」

2人「えっ!」

小夜子「ひなちゃんが そないに夢中になる スターさんに会うてみたい。」

ひなた「ホンマに!?」

小夜子「うん。」

一恵「それやったら 私も行くわ。」

2人「えっ!」

一恵「3人で行こう。」

ひなた「うん! やった~! そやけど… ホンマにええの? 1,500円やで。」

一恵「おばあちゃんにもろたお年玉で行ける。」

小夜子「私も。」

ひなた「あ… へえ~。 うん そっか…。 ヘヘッ。」

小夜子「ほら やろう。」

一恵「うん。」

ひなた「うん。」

一恵「いくで。」

ひなた「うん! はっ!」

一恵「うわっ! もう…。」

ひなた「やった~!」

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