回想
るい「いっちゃんは 卒業したら そのまま お茶の道に進むん?」
一恵「ううん。 短大受ける。」
<侍のように りんとして 弱音を吐かず こうと決めたことは 命懸けで やり遂げる。 そんな生き方に ひなたは憧れていました>
吉之丞「親父が 今からやっとけって うるさいんや。」
ひなた「今からて?」
吉之丞「どうせ 店継ぐんやからて。」
<ただ ひなたは まだ 見つけることができずにいました。 命懸けで やり遂げたいと思える 夢も 目標も…>
ひなた「え… 小夜ちゃんも進学するん?」
小夜子「えっ うん。」
ひなた「四大?」
小夜子「うん。」
回想終了
大月家
回転焼き屋・大月
ひなた♬『遊び疲れた映画村の帰り これで青春も終わりかなとつぶやいて あなたの肩をながめながら やせたなと思ったら泣けてきた』 うっ うっ うっ うっ…。」
るい「ひなた。 あんた 回転焼き抱えて どこ行ってたん?」
ひなた「さあ…。 私は どこへ向かってんのやろ。」
るい「何言うてんの。 ちょっと代わって。」
ひなた「えっ。」
るい「お豆腐 切らしてんの忘れてたんや。」
ひなた「えっ?」
るい「もう焼いた分 売り切ったらいいから。 お願い。」
ひなた「もう~ こっちは それどころやないのに。」
ひなた「♬『京都で生まれた女やさかい 京都の街よう捨てん』 おいでやす。 何個しましょ?」
「おばさんは?」
ひなた「えっ?」
「いつものおばさん いないの?」
ひなた「あっ すいません。 今ちょっと。」
「娘?」