五十嵐「俺は 五十嵐だ。」
ひなた「イガラシ?」
五十嵐「五十の嵐と書いて 五十嵐。」
ひなた「五十の嵐…。」
五十嵐「嵐は 嵐 寛寿郎の嵐 つまり… アラカンの 五十倍だ! 俺は超える。 アラカンも モモケンも。」
ひなた「私は… 大月ひなたや! 侍への 時代劇への愛は 誰にも負けへん! 覚えとき。」
<ひなたと五十嵐は 互いに思っていました>
五十嵐「(心の声)『こいつ…。』」
ひなた「(心の声)『こいつ…。』」
2人「(心の声)『底なしの…。』」
ひなた「(心の声)『あほや。』」
五十嵐「(心の声)『ばかだ。』」
<Hinata and Igarashi thought of each other, “This person is a hopeless fool!”>
俳優会館
ひなた「信じます。 私の時代劇への愛を信じてくれた 虚無蔵さんを。」
虚無蔵「では…。」
ひなた「やります! 時代劇を救うアルバイト。」
虚無蔵「明朝9時より この詰め所に控えおれ。」
ひなた「御意のままに!」
<こうして ひなたは 虚無蔵の誘いを 受けることに決めました。 So Hinata decided to accept kyomuzo’s invitation>
翌朝
ひなた「(心の声)『香盤表? 何やろ。 えっ! 『破天荒将軍』? 第1スタジオ? どういうこと? 今日 ここで撮影してるいうこと? え~! 『江戸を蹴る』も『金太郎侍』もある。』」
<今更ながら ひなたは気が付きました。 ここは条映の休憩所。 つまり このすぐそばで 人気時代劇の数々が 撮影されているのです>
ひなた「パラダイスや…。」
ラジオ『こんにちは。 今日午後の 近畿地方の天気予報をお伝えします』。
ひなた「(心の声)『あの人たちは ドラマ撮影の裏方さんやろか。』」
ひなた「『こっちは 映画村の職員さんかな。 ここは 撮影所と映画村 両方の詰め所… いや 休憩所なんや。 お茶でも いれよかな。』
ラジオ『京都盆地など 内陸部を中心に 所によって にわか雨や雷雨がありそうです。 お出かけには 折り畳み傘があるとよいでしょう。 以上 午後の天気予報を お伝えしました。 さて 続いては この曲をお送りしましょう。 『セーラー服と機関銃』です。 どうぞ』。
♬~(ラジオ)
ひなた「お疲れさまです。」
榊原「ああ どうも。 あっ…?」
ひなた「うん?」
榊原「ああ 君。」
ひなた「えっ?」
榊原「ああ ああ ああ。」
ひなた「えっ えっ えっ えっ?」
榊原「ミス条映コンテストの。」
ひなた「ひい~ すいません。」
榊原「エントリーナンバー10番。」
ひなた「大月ひなたです。」
榊原「ああ そうそう。 大月ひなたさん。 いやいやいや あの時は ありがとう。 おかげで盛り上がったわ。」
ひなた「えっと あの…。」
榊原「僕は あのイベントの企画スタッフや。」
ひなた「あっ そうやったんですか。」
榊原「榊原いいます。」
ひなた「榊原さん。」