連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第75話「1983」【第16週】

榊原「僕が審査員やったら 特別賞あげたんやけどなあ。」

ひなた「あ~ めっそうもない。」

榊原「アハハッ。 …で 大月さん。 ここで 何してるん?」

ひなた「いや~ よう分からんのですけど 伴 虚無蔵さんに 夏休みの間 ここで バイトするよう言われて。」

榊原「虚無蔵さんに?」

ひなた「何か… 時代劇は このままやったら滅びるって。 それを 私に救ってほしいて。」

榊原「虚無蔵さんが そんなことを…。」

ひなた「はい。 どういうことなんでしょう?」

榊原「君 すごいな。」

ひなた「えっ?」

榊原「虚無蔵さんに見込まれるやなんて。」

ひなた「はあ…。」

(ドアが開く音)

平岡「何で 朝から3時間も押すんや。」

榊原「お疲れさまです。」

園山「かなんなあ… 監督は。」

岸「こっちは 斬られて死ぬだけやのになあ。」

園山「ホンマや。」

ひなた「あの人たちは…。」

榊原「大部屋の俳優さんたちや。」

ひなた「えっ。」

回想

虚無蔵「拙者 ただの大部屋俳優でござる。」

ひなた「大部屋俳優?」

虚無蔵「名もなき有象無象と心得られよ。」

回想終了

ひなた「有象無象…。」

岸「何か 言うたか?」

榊原「あっ! いや こっちの話。 ヘヘッ どうも。 (小声で)『有象無象はあかんわ。』」

ひなた「あっ すいません。」

(足音)

畑野「誰か あの 今すぐ 轟組に入れる侍おれへんか? いや あの 監督が 『斬られ役の人数 増やせ』て 言いだしたんや。」

平岡「はい! 行きます。」

園山「ほい!」

畑野「ほい。」

岸「俺も。」

畑野「オッケー! 行こう!」

平岡「ダブリ ダブリ。」

園山「ついとんな。」

ひなた「あの人ら 今 仕事終わらはったとこやないんですか?」

榊原「大部屋さんいうたら 大体 あんな感じや。」

ひなた「え~。」

榊原「一本いくらの仕事やし あったらあっただけ ハシゴしはるわ。 あの3人は 立ち回りも うまいしな。 ちょっと のぞいてみる?」

ひなた「えっ。」

榊原「撮影現場。」

ひなた「えっ。 い… いいんですか!?」

<ああ 本当に ここは ひなたにとって パラダイスです。 For Hinata, it’s more than paradise!>

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