高校
国語準備室
(ノック)
小夜子「はい。 どうぞ。」
桃太郎「失礼します。」
小夜子「ああ 桃ちゃ… あっ 大月君。」
桃太郎「小夜ちゃん。」
小夜子「あっ。」
桃太郎「藤井先生…。」
小夜子「はい。 何でしょう?」
桃太郎「あっ えっと… 僕… 国語が苦手で…。」
小夜子「そう?」
桃太郎「何か 面白うて 分かりやすい本 あらへんかな思て…。」
小夜子「う~ん…。 読みやすそうな本なあ。 あっ。 これ どやろ?」
桃太郎「『サラダ記念日』?」
小夜子「これやったら 国語が苦手でも読みやすいと思う。 短歌は たった三十一文字の文学え。 フフッ。」
桃太郎「(心の声)『『この味がいいね』と 君が言ったから 七月六日はサラダ記念日』。 『この本を読んでと 君が言ったから 4月20日は… さ… さ… 小夜子記念日!』」
太秦映画村
「えっ? ええ~!」
(笑い声)
俳優会館
中庭
五十嵐「はあ…。」
大月家
玄関前
ひなた「マジックショー…。 お笑いフェスティバル…。 富くじ大会…。 はあ… あかん。 どれも 大部屋俳優の仕事につながらへん…。 うん?」
ひなた「あっ…! キャ~! 痛っ もう…。 はっ…。 はあ~ びっくりした。 あっ。」
俳優会館
休憩所
♬~(ラジオ)
ひなた「お崖屋敷は どないでしょう?」
榊原「お崖屋敷?」
ひなた「はい。」
榊原「う~ん…。 発想は面白いけど… そこらの遊園地にあるような お化け屋敷をやったところで 集客にはつながらへんで。」
ひなた「そうか…。 監督。」
轟「お崖屋敷。 はあ~ またとっぴなもん考えんなあ。」