錠一郎「アメリカに連れてってあげたい。 僕が 音楽で連れてってあげたい。」
トミー「鍵盤か…。」
錠一郎「若い時に 基礎は習ったよ。」
トミー「まあ トランペットやってたんやから 当然やな。」
錠一郎「死ぬ気で練習する。 トミーに認めてもらえるまで。」
トミー「嫁に探させる。」
錠一郎「えっ?」
トミー「一流のピアノ講師を。」
(呼び出し音)
錠一郎「えっ トミー でも…。」
トミー「あっ もしもし? 奈々?」
奈々「富夫! どこにいるの!?」
トミー「えっ メモ残しといたやろ。 ジョーに会いに岡山に…。」
奈々「すぐにバレるうそ つくんじゃないわよ! 何なの いい年して。 まだグルーピーと遊び回ってるのね! あなたは 大体 いつも そう…。」
(電話を切る音)
錠一郎「奈々さん 何て?」
トミー「ああ… 忙しそうやから 帰ってから話すわ。」
トミー「いつか また… お前と トランペットで セッションするのが俺の夢やった。 けど 修正するわ。 お前と一緒に ステージに立つ。 それが俺の夢や。」
錠一郎「ありがとう トミー。」
トミー「礼は実現してから言え。」
錠一郎「フッ…。」
トミー「まあ どうでもええけどな お前 その話するために 岡山まで呼んだんか?」
錠一郎「フフフ… ホンマに ごめん。」