夜ドラ「ミワさんなりすます」(第19回)

ミワ宅

ミワ「今週の八海サマは 海外ロケから帰ってきて…。」

さくら「知ってる。」

ミワ「来月から始まる 八海 崇展に出す 衣装を選んで…。」

さくら「知ってる。」

ミワ「書斎の本棚を整理して…。」

さくら「知ってる。 全部SNSで見た。」

ミワ「さすが 早いです。」

さくら「あのSNS もしかして 久保田さんが絡んでるの?」

ミワ「いや あくまで私は お手伝いをしたり しなかったり。」

さくら「私は正直 見たくなかったな。」

ミワ「でも あれはあくまで スタッフさんから見た 俳優 八海 崇なんで。」

さくら「私が長年憧れて 追いかけてきた八海サマが こんなふうに消費されるのを 見たくなかった。」

<相変わらず さくらさん 強火…>

ミワ「こればっかりは時代もあるし 事務所の判断は しょうがないのかなって…。」

さくら「事務所は全然分かってないよ。」

ミワ「そう… ですかね。」

さくら「八海 崇は 簡単に会えなくていいんだよ。 スマホのアプリを開いて いつでもどこでも パッと出てきちゃダメなの。」

ミワ「それは 分かります。」

さくら「分かってない。」

<私に言われても…>

さくら「私はいつか うっかりスタッフがミスって 炎上したらどうしようとか そんなことばっかり気になってるよ。」

ミワ「それは まあ 私も…。」

さくら「でしょ?」

ミワ「映画のプロモーションを 兼ねてるみたいなので 期間限定だとは思いますけど…。」

さくら「期間限定… か。 は~ 何か変な汗かいた。 そっか… それなら しかたないか。」

八海邸

リビング

藤浦「ミワさん ごめん。 ボトルシップを いい感じに撮っといてもらえない? 後でアップするかも。」

ミワ「分かり…。」

藤浦「お願いね。 もしもし?」

ミワ「分かりました。」

藤浦「お待たせして すみませんでした。」

(シャッター音)

<私が撮った ボトルシップの写真の数々は 藤浦さんの手によって 後日アップされた>

ミワ「えっ…!? 鏡に映ってる!?」

<えっ どうしよう…。 こんなの ほかの家政婦さんとか 藤浦さんに見られたら…。 誰が こんなコメント…>

<え? また増えた。 どういうこと? もしかして 誰かが私を 陥れようとしている?>

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