夜ドラ「ミワさんなりすます」(第22回)

ミワ「ああ いや 全然 全然 大丈夫 大丈夫。」

紀土「俺 もう帰るんで どうぞ。」

ミワ「どうぞ。」

さくら「あっ じゃあ お邪魔しま~す。 実家から 桃がたくさん送られてきてさ 久保田さん 食べるかなあと思って。」

ミワ「ありがとう。」

紀土「どうも 紀土です。 はじめまして。」

さくら「美羽です。」

紀土「美羽? えっ すげえ! どっちもミワじゃん!」

さくら「私は名字だけどね。」

ミワ「紀土くんも 1個持って帰る?」

紀土「何で そんな帰らせようとすんのよ。」

ミワ「いや 別に そういうわけじゃないけど…。」

紀土「ミワとは どういう知り合いですか?」

さくら「え~ 何だろう?」

ミワ「何でしたっけ?」

さくら「まあ 二人とも 熱狂的な八海 崇のファンっていう。」

紀土「へえ~ やっぱ そこなんだ。」

さくら「きっかけは そこだね。」

紀土「今 ちょうど話してたんですよ。 いつまでも 八海八海って言ってないで 現実を見たほうがいいよって。」

さくら「やいてんだ。」

紀土「いやいや そういうことじゃなくて。」

さくら「二人 つきあってるの?」

ミワ「いやいや…。」

紀土「まあ。」

ミワ「え!? いや 友達です 友達。」

さくら「あっ 仕事辞めたいって言ってた人?」

ミワ「いや その人じゃなくて…。」

さくら「そっか。 紀土くんって言ったっけ?」

紀土「あっ はい。」

さくら「久保田さんを本気で落としたいなら 八海 崇より いい男になるしかないよ。」

紀土「えっ?」

さくら「久保田さん 案外 モテるからね~。」

ミワ「さくらさん…。」

さくら「はい 頑張って。 あっ。 はい。」

紀土「じゃあ さっきの返事 待ってるから。」

ミワ「あ… うん。」

(ドアの閉まる音)

ミワ「はあ…。」

さくら「これでよかった?」

ミワ「はい… ありがとうございます。」

さくら「冷やしとくね。」

ミワ「はい。」

さくら「うん。」

ミワ「さくらさん 『プロフェッショナル』っていう番組 ご存じですか?」

さくら「うん。 あの一流の仕事人が 出てくるやつでしょ?」

ミワ「今度 その密着取材が始まるんです。」

さくら「えっ マジ!?」

ミワ「はい。」

さくら「えっ でも あの番組って結構 プライベートな部分も掘り下げるよね?」

ミワ「はい。」

さくら「それをOKしたってこと?」

ミワ「そうみたいなんです。」

さくら「ええっ。 いや その判断はどうなんだろう? SNSに続いて 藤浦マネージャー ちょっと やりすぎなんじゃない?」

ミワ「いや 番組に出るって決めたのは… 八海サマなんです。」

さくら「えっ… 自分から? 何で!?」

ミワ「それが分からなくて。」

さくら「何でだろう…。 仕事に区切りをつけるつもりなのかな。」

ミワ「区切り?」

回想

八海「そろそろ… 俳優をやめようかと。」

回想終了

さくら「例えば 何か重い病気を患ってるとか…?」

ミワ「病気?」

さくら「だって 有名な俳優さん よく最後に ドキュメンタリーに出たりするじゃん。 人生の記録みたいな感じで。 うわ… やだ きっとそうだよ。 はあ…。」

<重い病気って そんな…>

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