連続テレビ小説「なつぞら」第130話「なつよ、優しいわが子よ」【第22週】

道中

茜「今日も ママ遅いから 一緒に ごはん食べようね。 優ちゃんは 今日 何食べたいの?」

優「えっとね… 茜さんのオムライス!」

茜「え~ またか…。 うん? 明子は 何食べたいの?」

明子「ギョーザがいい!」

茜「ギョーザ? えっ ギョーザか オムライスか? え~ どっちがいいかな…。 うん? どっちも食べたいの? え~ どうしよう…。」

東洋動画スタジオ

テレビ班 作画室

なつ「う~ん…。」

佐藤「どう?」

なつ「どうでしょう… キックジャガーは 子どもたちのために戦ってきたのに テレビで 正体がばれたら もう子どもたちには会わないんですか?」

宮田「試合中に マスク取られたら もう会いに行かない方がいいだろう。」

なつ「どうしてですか?」

宮田「どうしてって… 痛ましい姿は見せたくないでしょうよ。 キックジャガーは 孤児たちのヒーローなんだから。」

なつ「自分たちのために ボロボロになりがら 戦ってくれた キックジャガーに 子どもたちは 何も言えないんですか?」

宮田「黙って去る方が かっこいいと思うけどな。」

堀内「男の美学ですよね。」

宮田「うん。」

なつ「美学…。」

坂場家

寝室

優「ねえ ママ これ何だ?」

なつ「ん? あっ ウサギ!」

優「そう!」

なつ「うまい うまい…。 優は 本当に絵がうまいわ。」

優「ママみたいになれる?」

なつ「なれるよ! ママより ず~っと うまくなれるよ。 ねえ 優。」

優「うん?」

なつ「もし キックジャガーに会えたら 何て言う?」

優「キックジャガーに会えるの?」

なつ「いや もしもよ…。 もしも 本物のキックジャガーに会ったら…。 ほら キックジャガーは いろんな敵と戦って もう ボロボロに 痛い痛いになって 疲れてるでしょ。 そのキックジャガーに 何て言ってあげたい?」

優「えっとね… もういいよって。」

なつ「そうか… 優は優しいね。 『もういいよ』か…。 もういいよ…。 そうだよね… もう戦わなくていいよね!」

優「うん。」

なつ「そうだ…。」

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