タミ「ダメでしょ。 もう今すぐに戻りなさいや!」
正治「病院で心配してるべよ!」
天陽「大丈夫だって。 道夫 彩子 もうちょっとの 辛抱だからな。 父ちゃん もうちょっとで帰ってくるから。 お前たちと 一緒にいるからな。」
靖枝「辛抱できないのは あんたでしょや 陽ちゃん…。」
天陽「そうだな。」
(笑い声)
タミ「全く もう…。」
正治「しょうがないな。」
馬小屋
靖枝「全く しょうがないんだから…。」
天陽「すまんな。」
靖枝「本当に無理しないで 朝になったら戻ってよ。 もうじき退院なのに。」
天陽「靖枝がいてくれるおかげで こんなわがままが できるんだ。」
靖枝「わがまますぎるわ。」
天陽「畑も牛も 靖枝に頼ってばかりで…。 だから 俺は 絵を描いていられるんだ。 靖枝と結婚して 本当よかったわ。 俺は 俺でいられる。」
靖枝「どうしたのさ? したら 本当に ほどほどにしてよ。 大事な体なんだから。」
天陽「もう行っちゃうのかい?」
靖枝「えっ?」
天陽「ここにいろよ。」
靖枝「えっ? えっ いや ちょっ ちょっと… ちょっと 陽ちゃん! ねえ 絵の具! 絵の具ついちゃう…。 早く治してよ。」
天陽「うん ありがとう。」
朝
天陽「靖枝… 起きれ もう朝だ。」
靖枝「あ… 絵は出来たの?」
天陽「出来た。」
<なつよ… もうすぐ 夏が終わるぞ。>