連続テレビ小説「なつぞら」第153話「なつよ、あっぱれ十勝晴れ」【最終週】

御料理 杉の子

<次の日 咲太郎に呼び出された なつは 千遥の店にやって来ました。>

千遥「いらっしゃい。」

なつ「千遥… あっ!」

亜矢美「あ~!」

なつ「え~ 亜矢美さん!」

亜矢美「なっちゃん うれしい! 会えた 会えた…。」:

なつ「えっ どうしたんですか?」

咲太郎「まあ 座れよ。 ビールでいいか?」

なつ「お茶でいい。 優が待ってるから。 ごめんね 千遥。」

千遥「ううん。」

なつ「え~。」

亜矢美「ハハハハ 会えた~!」

咲太郎「帰ってきたんだよ 母ちゃんが。 また おでん屋 始めるそうだ。 新宿御苑の近くで。」

なつ「いよいよ また始めるんですか!」

亜矢美「始めますよ。 歌って踊れる おでん屋よ 遊びに来て。」

なつ「行きます…。 よかったね お兄ちゃん。」

咲太郎「ムーランルージュの復活だよ。」

亜矢美「ジャジャ~ン…。 いや それよりさ これこれこれ これ。 これには 参っちゃったね! 千遥ちゃんの味には勝てないわ。 何かね そこら辺のとはね 全然 何かが違うのよ。 どこが違うんだろう?」

千遥「あ… やっぱり だしでしょうか。 日本料理は だしが命だと 私は 親方から さんざん たたき込まれました。」

亜矢美「だしが命。」

千遥「一番だしだけじゃ ダメなんです。 一番だしをとったあとに 更に 手間ひまをかけて 二番だしをとることが 煮物では大事だと 親方が言ってました。」

亜矢美「二番だしか! はあ… なるほど。」

咲太郎「それは 二番煎じみたいなもんか?」

亜矢美「バカだよね 相変わらず。」

千遥「お兄ちゃん それは 味が薄くなっていくものでしょ。 二番だしは 出し殻を煮詰めて 材料も足すから 更に コクと風味が出るの。」

咲太郎「うん。 ハハハ…。」

亜矢美「まあ 言ってみれば 私たちみたいなもんかしら。」

咲太郎「えっ?」

なつ「どういう意味ですか?」

亜矢美「人生の二番だし。」

なつ「人生の二番だし?」

亜矢美「うん。 自分の人生 一生懸命 生きてく中で コクと風味と二番だしが あるわけでしょう。 でも 一番だしの本当の家族のことは 決して忘れない。 だって そっから来てんだから。」

なつ「一番だしがあって 二番だしがある…。 だから こんなに深~い うまみが出るんですね。」

亜矢美「ねえ。」

咲太郎「ねえ。」

亜矢美「何が 『ねえ』だよ…。」

<そして なつたちは 夏休みに 十勝へやって来ました。>

柴田家

しばた牧場

なつ「どう 千遥? 覚えてる?」

千遥「懐かしい…。 記憶の中にあるままだ。」

なつ「行こう。」

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