連続テレビ小説「なつぞら」第78話「なつよ、“雪月”が大ピンチ」【第13週】

なつ「おめでとうございます! したら 天陽君に お祝いの手紙書きますね。」

陽平「なっちゃん…。」

なつ「何だ そんなら そうと 手紙で知らせてくれたらいいのに。 水くさいわ 天陽君。 ハハハハ…。」

陽平「てれくさいんだろ あいつは きっと…。」

なつ「ふ~ん ハハハ…。 いいぞ モモッチ~!」

おでん屋・風車

1階店舗

(戸が開く音)

信哉「もう終わりか…。」

なつ「うん… でも どうぞ。」

信哉「亜矢美さんは?」

なつ「今 お風呂。 お兄ちゃん まだ。 何か飲む?」

信哉「いや いいんだ…。 ちょっと 報告することがあって。」

なつ「うん…。 どうしたの?」

信哉「うん。 実は… 今度 転勤するんだ。」

なつ「転勤?」

信哉「うん。 その勤務先が 帯広支局に決まったんだ。」

なつ「えっ! 帯広に行くの? 信さんが?」

信哉「うん。 偶然だけどね。 そういうことになったんだ。」

なつ「へえ~! 今度は逆になるんだ 私と信さんが。」

信哉「向こうに行ったら 2年か3年は戻ってこれないと思う。」

なつ「そうなんだ…。」

信哉「うん。」

なつ「すごい偶然だね。」

信哉「うん すごい偶然だよね。」

なつ「うん。」

信哉「うん。」

映画館

牛若丸『うりゃ~!』。」

(いななき)

<そして 迎えた 『わんぱく牛若丸』の公開初日。>

(いななき)

(笑い声)

<子どもが楽しめる漫画映画として評判を呼び 大ヒットを記録しました。」

『いいぞ いいぞ! 行け! それ~!』。

東洋動画スタジオ

階段

坂場「考えてますか?」

なつ「えっ?」

坂場「アニメーションにしかできない表現は 見つかりましたか?」

なつ「そんな… そう簡単には見つかりませんよ。」

坂場「そうですか… あの馬の足は偶然でしたか。」

なつ「だったら そっちから言って下さいよ。 前に言いかけたじゃないですか! 最後まで言って下さい。」

坂場「僕の考えでいいんですか?」

なつ「それが聞きたかったです ずっと。」

坂場「それは… ありえないことも 本当のように描くことです。 違う言い方をするならば ありえないことのように見せて 本当を描くことです。」

なつ「ありえないことのように見せて 本当を描くこと?」

坂場「そう思います。」

なつ「うん そうか…。 ありえないことも 本当のように描くこと。 ありえないことのように見せて 本当を描くこと。 どんなに ありえないことも 本当らしく見せる動きがある。 大きなうそから 真実を描き出す… それをできるのは アニメーションしかない!」

坂場「ふに落ちましたか?」

なつ「はい 落ちました!」

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