おでん屋・風車
1階店舗
昭和34年(1959)年5月
<そして それから また一年。 なつは 動画の仕事を続けました。 だけど まだ ポスターや映画に なつの名前が出ることはなく その一年で 変わったことと言えば これでした。>
(電話の呼び鈴)
なつ「はい もしもし 風車です。」
『北海道音問別4141番からです。 お待ち下さい』。
なつ「はい…。」
<電話によって 十勝と新宿がつながったのです。>
富士子『もしもし なつ?』
なつ「母さん? おはよう。」
富士子『おはよう なつ。』
一同『おはよう!』
富士子『聞こえた?』
なつ「うん。」
富士子『今年はどうなの? なつ 帰ってこれんのかい?』
なつ「あ…。」
菊介『帰ってこい!』
明美『帰ってきて!』
剛男『なつ 帰ってこい!』
照男『帰ってこい なつ!』
なつ「そだね… よし 今年は帰る!」
(拍手と歓声)
一同『なっちゃん! なっちゃん! なっちゃん! なっちゃん!』
富士子「楽しみにしてるよ。」
<ああ なつよ 目まぐるしく変わりゆく月日の中で 来週に続けよ。>