連続テレビ小説「ちむどんどん」110話「豚とニガナは海を越えて」

二ツ橋「うん おいしい。 素朴だけど 素材の味が 最大限に引き出されてます。」

智「沖縄産じゃない材料も使っているのに 何でかね?」

暢子「味付けの考え方を 変えてみたわけ。」

矢作「丁寧な処理と 素材のよさを生かす工夫に 集中してみたんです。」

暢子「フォンターナで身につけた技術は うちの強みです。 だけど それが 弱点にもなっていたんです。 これまでのうちは 東京の人の好みに 合せることばかり考え過ぎて 沖縄料理の もともとの魅力を 忘れていたんです。」

田良島「もともとの魅力?」

暢子「故郷のやんばるで 大好きな家族みんなで 食べて 笑顔になった味。 それを思い出して 材料の魅力を引き出す。 手数をかけないことに 全力を尽くしてみたんです。」

智「よし。 もっともっと新鮮な野菜を 手に入れられるように頑張ります。」

和彦「フフッ…。」

暢子「あっ 同じように 看板メニューの沖縄そばも 仕上げ直したいんです。 あっ あと 試食してもらいたいものが…。」

智「大丈夫か?」

暢子「お~ いいですねえ。」

玄関前

暢子「よし。 あっ 12月1日から営業再開するので よかったらお願いします。」

「これね。」

「今度 来てみるか。」

暢子「ちむどんどんです。 よろしくお願いします。 営業再開します。 ちむどんどんです。 よろしくお願いします。 ちむどんどんです。 よろしくお願いします。」

夜の街

賢秀「すいません。 この女性 この辺りで見たことないです? この女性…。」

「知らない。」

賢秀「えっ やっ…。 ちゃんと見て。 ねっ!」

(ドアを閉める音)

賢秀「はぁ~…。」

回想

寛大「手っ取り早く働くとなれば 住み込みの水商売だ。」

回想終了

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