ウージ畑
優子「サチ子 旭!」
賢三「ハイサイ。」
優子「はい 食べて。 おいで。」
サチ子「頂きます。」
旭「頂きます。」
賢吉「お人よしも いいかげんにせ。 食わずに働けるか!」
優子「すみません。」
智「サチ子 旭! こんにちは。 何やってる!」
賢三「智も アリ。」
智「俺は大丈夫です。 ありがとうございます。」
サチ子「ありがとう。」
旭「ありがとう。」
智「行くよ。」
優子「またね。」
賢吉「砂川とうふの子だろ?」
和恵「やんどー。」
賢吉「父親に死に別れて 去年 おじぃを頼って こっちに流れてきたのに そのおじぃも すぐに死んでしまって。」
和恵「母親も病気で 寝込んでるんだよね。」
優子「えっ いつから?」
賢吉「余計なことを教えるな。 分かってるよな。 お前たちも借金抱えて 4人の子供を育ててるんだから。」
優子「はい…。」
比嘉家
暢子「おいしそうだよ~。」
賢秀「アイヤー おいしそう。」
賢三「善一さん所から お裾分け。」
賢秀「これ 俺の! 俺は長男だから。」
暢子「勝手に決めないで。 これはうちの!」
良子「みんなで公平に分けよう。」
賢秀「俺の!」
暢子「うちの! うちの!」
良子「ニーニー!」
賢秀「何で。」
暢子「うちの。」
賢三「何でか?」
優子「これ… 砂川さんの家に…。」
暢子「えっ?」
賢秀「智の家?」
賢三「やっぱり そう来たか。」
優子「智の家は今 お母さんが病気で とっても困っているよね。」
良子「そしたら うちらの晩ごはんは?」
賢秀「こんなごちそう めったに食べられないのに!」
暢子「うちも… これは 食べたい。」
優子「でもね… もし もしも お父ちゃんとお母ちゃんが 病気になって働けなくなったら みんなも 同じように困るんだよ。」
暢子「行こう! 冷めないうちに!」
賢秀「アキサミヨー。」