連続テレビ小説「ちむどんどん」56話「古酒(くーす)交差点」

沖縄料理店・あまゆ
店内

和彦「デートに誘いたい?」

智「いつもとは違う雰囲気の ムードある お店で 暢子と しっかり 話をしたいと思ってるわけ。」

和彦「どんな話を?」

智「例えば… 未来の話とか。」

和彦「未来って 日本の? それとも沖縄の?」

智「いや そういう未来じゃなくて。」

愛「そういうことね。」

和彦「どういうこと?」

愛「鈍感。」

(ドアが開く音)

暢子「ただいま。」

愛「お帰り。」

和彦「お帰り。」

智「お帰り。」

暢子「えっ? どうしたわけ?」

智「暢子 次の休み いつ?」

暢子「日曜日。」

智「2人で どっか行かないか?」

暢子「横浜の中華街! この前は お店入る前に 肉まん食べたから ギョーザと 青葉炒めと マーボー豆腐と 酢豚と 五目あんかけごはんを 食べたところで おなか いっぱいで エビのチリソースも チンジャオロースも ホイコーローも 食べられなかったよねぇ。」

智「だからよ。 今度は そういうのじゃなくて…。」

暢子「あっ 分かった! 4人で行けば もっと おいしい料理を たくさん食べられる! 今度は 絶対 4人で行こう!」

和彦「いいね。」

愛「その日 私たち 予定があって。 ねっ。 うん。」

玄関前

暢子「大丈夫?」

愛「酔い覚ましっていうのは口実で 本当は これを早く読みたくて。 結婚願望は『全くありません!』。」

暢子「アイヤー 恥ずかしい。 うちのこと 変わり者だと思う?」

愛「ちっとも思わない。 ここだけの話 私も昔 結婚はしないって思い込んでたの。」

暢子「まさかやー。」

愛「私 洋裁をしていた母の影響で 子供の頃から ファッションに興味があったの。 夢は いつかパリで働くこと。」

暢子「パリ?」

愛「パリで働く自分を想像すると幸せで 結婚なんて 考えもしなかった。 だから 新聞社でも パリ支局に配属されることが夢だった。」

暢子「デージ格好いい!」

愛「今は もう諦めてるけど。」

暢子「どうして?」

愛「パリ支局は ファッション好きなだけで 行けるほど 甘くはないし…。 結局『結婚して 幸せになってほしい』っていう親の期待を 裏切れないと思う。 暢子ちゃんが 羨ましい。 いつも自由で 何にも縛られず 感じるままに生きていて。」

暢子「うちは 愛さんが羨ましい。 おしゃれで 上品で 頭もよくて。」

愛「ううん。 お互い ないものねだりってことなのかな。」

暢子「うちは 今 とっても幸せ。 ずっと このままで 暮らしたいわけ。」

愛「うん…。 それはどうかな。」

暢子「ん? 望んでも 望まなくても 変化は 突然やって来るものだから。」

暢子「変化は 突然…?」

愛「うん…。 あっ 明日 よろしくね。 父の誕生日祝いで 両親とフォンターナに行くから。 和彦も一緒。」

暢子「精いっぱい サービスします。」

愛「フフフッ。」

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