石川の実家
良子「お義母さん おばあさん。 あの ここで 博夫さんに 待ってるように言われたんですが…。」
ウシ「結局 仕事は辞めたわけ?」
良子「辞めてません。」
小太郎「博夫 言いたいことを言ってみろ。」
石川「僕は この家の長男であるという自覚が 強すぎて 何をするにも この家の人の意見を 優先してきました。 確かに 今の僕があるのは 両親や おじぃ これまでの石川の家族のおかげです。」
石川「だけど 僕は 良子と家族になりました。 誰に何を言われようと 僕は 良子と その家族を大切にします。 僕は もう迷いません。 良子を認めないなら もう二度と この家の敷居は またがない覚悟です。」
ウシ「アキサミヨーイ ナー。 ディキランンーヌ チャーヤ!」
修たち「おばぁ!」
小太郎「起きても大丈夫なのか?」
ウシ「博夫の言うとおりヤサ。 時代は変わる。 先に逝く者が 後に残る者の未来を 縛ってはいけない。 博夫の嫁は 間違ってない。」
小太郎「おばぁ…。」
ウシ「これは 石川の女たち みんなの思い。 ヌーガ 認めなかったら 明日から 自分たちで ごはんを作れ。 洗濯も掃除も 全部やれ。 博夫の嫁を認めなさい。」
修「だけど…。」
ウシ「ハッサミヨーナー。 エーッ! 男らしく はっきりしなさい!」
小太郎「おばぁの言うとおりヤサ。」
修「あ~…。」
博太郎「おじぃ…。」
ウシ「博夫 さっきは よく言った。 いい男になったねぇ。」
石川「ありがとうございます。」
ウシ「嫁を呼びなさい。」
石川「お願いがあります。」
ウシ「ん?」
石川「良子は 御三味料理を 徹夜で作ってきました。」
小太郎「いい心がけヤサ。」
修「それでこそ 長男の嫁ヤサ。」
博太郎「おじぃの言うとおり。」
ウシ「おいしいかねぇ?」
石川「信じられないほど… おいしくありません! お願いとは… そのことです。」
良子「味見を お願いします。」
小太郎「これは… マーサンヤー!」
修「確かに 上出来ヤサ!」
博太郎「おじぃたちの 言うとおり! 見事! このマヨネーズ味のてんぷら おいしいね。」
良子「ありがとうございます!」
小太郎「これぞ 石川の嫁。 よくやった! 仕事を続けなさい。」
ウシ「良子さん。 料理も家事も 女だけでするのは もう古い。 あんたは やるべことがある。 料理は うちなんかに任せなさい。 やらなくてもいいから。」
良子「うちは 料理もやります! これからも いっぱい食べてもらいたいです。」
ウシ「いや あの…。」
良子「やります! 食べてください! 本当に ありがとうございます。」
石川「ありがとうございます。」
(拍手)