房子「乾杯。」
暢子「ん~! おいしいです。」
房子「こうして飲むのも これが 最後になるかもしれないわね。」
暢子「どういう意味ですか?」
房子「この店に来て 何年?」
暢子「7年目です。 覚えています? 初めて会った時のこと。」
房子「もちろん。 あの人の紹介状を持ってきた。 あなたがいなければ 私の人生に あの人が 再び 現れることはなかった。 もう 一生 関わることはないと 思っていたのに。」
暢子「どうして三郎さんと あの…。」
房子「フッ…。 いいわよ。 言いたいことを言いなさい。」
暢子「どうして 三郎さんと 結婚しなかったんですか?」
房子「昔話なんて 誰にもしないつもりだったけど…。」