畑
晴海「お母さん。」
良子「晴海。」
優子「今日は 晴海ちゃんが 野菜のお刺身を お母さんと一緒に食べるんだよね。」
晴海「うん!」
良子「野菜のお刺身?」
優子「はい。 はい いくよ。」
晴海「せ~の…。」
優子「せ~の…。 頑張って…。」
晴海「やった 取れた~!」
優子「取れた。」
晴海「ほら。」
晴海「はい。 はい。」
良子「うん。」
晴海「頂きます。」
良子「頂きます。」
優子「頂きます。」」
晴海「おいしい。 マーサン! お母さんも食べて。」
良子「うん。」
良子「うん おいしい!」
晴海「やった やった やった! このモーウイ うちが育てたんだよ。」
優子「頑張ったんだよね。」
晴海「うん! モーウイはね 赤瓜とも言うわけ。 酢の物にしても 煮物にしてもおいしいよ! でも 畑で食べるのが一番だ。 フフフフ…。」
良子「晴海 顔が泥だらけさ。」
晴海「もっと食べて! うちが育てたんだのに。」
良子「うん。 う~ん! うん。」
優子「特別なものじゃなくていい。 うちらの目の前は こんなおいしいもので あふれている。 お母さんたちも この畑の野菜を食べて 元気に 大きくなったんだよ。」
良子「これだ。 お母ちゃん ありがとう! ヒントが見つかったさ。」
東洋新聞
学芸部
和彦は 東洋新聞を 退職することになりました。
和彦「この学芸部で学んだことを糧に 新たな自分の道を探して 頑張りたいと思います。 長い間 お世話になりました。 本当に ありがとうございました。」
(拍手)
和彦「田良島さん お世話になりました。」
暢子「ありがとうございました。 これ ささやかなものですけど。」
田良島「…。」
暢子「置いておきます。」
和彦「いずれ 新聞社は辞めるつもりでしたし しばらく フリーの記者として 自分の企画書を持って 出版社を回ってみます。」
田良島「小さくないぞ『東洋新聞』の看板をなくした代償は。」
和彦「もちろん 分かってるつもりです。」
田良島「ちょくちょく顔出せ。 何でも相談に乗る。」
和彦「辞めた人間が顔を出すのは 迷惑でしょうし。」
田良島「迷惑じゃない。 お前が勝手に決めるな。」
和彦「上層部は 田良島さんにも 目をつけています。 僕と関わらない方が…。 僕は 東洋新聞社とも 田良島さんとも関係ないですから。」
(机を叩く音)
田良島「関係ないなんて言うなよ。 二度と言うな。」
和彦「はい…。」
田良島「小林。」
小林「はい!」
田良島「お前… お前 この先生の中身の薄い話 そのまま載せるつもりかよ。」
小林「すみません。」
田良島「作戦会議!」
小林「はい!」