野本「あ… すいません。」
佐山「いやいや。 まず 恋人を探すアプリなので その前提では見てるんですけど ん~ でも 好きだなって思う基準は う~ん やっぱり その人のことを ずっと考えちゃうとか ですかねえ。」
野本「ああ… うん。」
佐山「バイバイしたあとも また会いたいって思うとか あと私の場合は その人に触れたいって思うかどうかとか。」
野本「触れたい…。」
佐山「っていうか いちゃつきたい?」
野本「いちゃつきたい…。」
佐山「そういう感じってないですか?」
野本「な… ないことはないです。 いや あるかな… うん 多分。」
佐山「まあ この人にそう思うかは まだ分かんないですけどね。 どんな人かも分かんないので。」
野本「そうですよね。」
佐山「うん これ パンにつけるとおいしい。 野本さん?」
野本「ん? あっ! あっ すいません。」
佐山「いいえ どうかしました?」
野本「いや あの…。 あの。」
佐山「はい。」
野本「恋って難しくないですか?」
佐山「恋? まあ そうですね。」
野本「片思いの状態って難しくないですか? みんな そうなんですかね。」
佐山「う~ん そうですね… いや でも 状況によりますけど でも片思いの時って 楽しくないですか?」
野本「まあ うん 楽しいですよ 楽しいんですけど でも 相手がどう思ってるとか そんなの分からないじゃないですか。」
佐山「まあ 確かに。 でも 何となく分かることも あるんじゃないですか。 相手からの距離感とかで。」
野本「上級者ですね。」
佐山「そんなことはないですよ。」
野本「いや すごいです 本当に。 あっ 先日 映画を見ていまして レズビアンの恋愛を描いた 映画だったんですけど。 何かこう 参考になるかなとも思って。」
佐山「お~ どうでした?」
野本「映画は すごくよかったんです。 でも 何かこう もやもやして。」
佐山「もやもや…。」
野本「果たして この人たちと同じレズビアンなのだろうかって。」
佐山「うん うん うん。」
野本「私は女性を好きだし レズビアンではあるんですけど でも 映画の人たちは すごくドラマチックで 情熱的な感じが 自分とは全然違う気がして 何か全然 参考にならなかったというか。」
佐山「まあ でも 映画は映画ですもん。 映画みたいな すてきな恋愛なんて したことないですよ。」
野本「そっか そういうことなんですかね。」
佐山「うん 私はですけどね。」
マンション
野本宅
野本「『どうなりたいんだろう 自分の気持ちばっかり考えて、 ほんとうに』(ため息)」