夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(第9回)

マンション

野本宅

春日「あっという間に年末ですねぇ。」

野本「ですねぇ。」

春日「もう お休み入りましたか?」

野本「あっ はい おかげさまで。 昨日 仕事納めしました。」

春日「そうですか。」

野本「春日さんが看病してくれたおかげで 仕事も休まずにすみました。」

春日「私は ちょっと買い物してきただけですよ。」

野本「そんなことないです。 春日さんが 持ってきてくれるもの 全部分かってるなあって感じで。 本当にありがとうございました。」

春日「いえ。 今日は 回復祝いに これを持ってきました。」

野本「え! すっごいお肉!」

春日『ローストビーフ用ブロック肉 500gです。』

野本「え! え… こんなすてきなお肉を… 何でもない日に焼いてもいいんですか 春日さん。」

春日「ローストビーフは いつ食べたっていいんですよ。」

野本「ええええ…。 すごい…。」

春日「赤ワインも買ってきました。 それと ローズマリーも使えるかなと 思って 家から持ってきました。」

野本「…ぬかりない! あっ じゃ ちょ ちょっと待って下さい。 と… じゃがいもある。 はあ ズッキーニも。 一緒にローストして…。 そんなの 楽しすぎるに 決まってるじゃないですか…!」

春日「楽しみですね。」

野本「あっ そういえば 春日さん ごはんも食べたいですか? 後で ローストビーフ丼にするとか。」

春日「それはいいですね。」

野本「ですよね。 じゃあ 急いで ごはん炊きますね。 早炊きで炊けば…。」

春日「うちにあるので持ってきます。」

野本「あ いいんですか?」

春日「はい 保温してあるので取ってきます。」

野本「あ すいません。 盛りつけ どれにしようかな…。 あ…。 これ…。」

回想

店員「いらっしゃいませ。」

<そういえば 引っ越してきた時に…>

野本「あ~ かわいい。」

<でも 大きいか。 私 少食だし 結局 棚の奥に眠ることになるか…。 まあまあ するし。 でも こういうお皿いっぱいに 料理を作れたら 楽しいだろうなあ>

野本「よし 買おう。」

<いつか 使える日が来るかもしれないし>

回想終了

春日「持ってきました。」

野本「あ…。 え 炊飯器!」

春日「野本さんも食べるかなと思ったので。」

野本「ありがとう。」

野本「できました!」

春日「きれいです。 お皿も合ってます。」

野本「ね!」

野本「はい。」

2人「いただきます。」

春日「おいしいです すごく。」

野本「幸せですねえ。 何か すっごく幸せなんです。」

春日「はい。 野本さん 食べてますか。 すきっ腹にワインは…。」

野本「ああ 食べる食べる。 牛肉って 高くて あんまり買えないから 特別感ありますね。」

春日「分かります。 牛肉コーナーは通り過ぎますよね。」

野本「ね! ちょっと遅れてクリスマスやってるって 感じがして うれしいです。」

春日「クリスマスといえば… 本当は 野本さんに クリスマスプレゼント買いたいなと 思ってたんです。」

野本「え?」

春日「ちょっとした調理器具をと 思ったんですが こだわりがありそうですし 何が欲しいか分からないなと思って…。」

野本「あ… あ そうだ 年末年始に食べるもの 奮発して買いません? お互いへのプレゼントに割り勘して。」

春日「いいですね。」

野本「あ でも こんなお肉も食べてるのに… 贅沢しすぎかな…。」

春日「野本さん これは クリスマス。 年末年始は別です。」

野本「そっか。 そうだね! じゃあ 一緒に調べよう! よし。 何がいいかな? はい。」

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