北栄総合病院
ナースステーション
回想
医師「内臓のどこかが 出血の可能性も ありますけどね どっか 痛いとこ ありますか?」
恵理「いや 最近 このへんが。」
医師「その場所で 痛みの自覚症状があるようでしたら 内視鏡 のんだ方が いいかもしれないね
回想終了
奈々子「どうしたの?」
恵理「あ いや どうもしませんよ。」
奈々子「そう。 何か 顔色悪いわよ。」
恵理「え? 私ですか? そんな事ないですよ。」
奈々子「そう? …ならいいけど。」
恵理「はい 元気だけが 取り柄ですからね。」
奈々子「そうね。」
恵理「は?」
奈々子「そうだ。 和也君 元気?」
恵理「あ はい 元気ですよ。」
奈々子「あの子 覚えてるかなあ。『大人になったら 結婚しようね』って 言っといたんだけど。」
恵理「え? いつですか?」
奈々子「赤ん坊の時だけどね。」
恵理「は? 何言ってるんですか。 覚えてる訳ないですよ。」
奈々子「そうか…。 いや あんたの子だから ひょっとしてと 思ってさ。」
恵理「また もう…。 でも あの子 真理亜さんとも 約束したみたいだし 私の友達で 沖縄の子で 流美子って いるんですけど そこの子とも 約束してたし…。」
奈々子「はあ 全く 男ってやつは…。」
恵理「フフフ…。」
奈々子「あ でも… あんたが『お母さん』なんだよね。」
恵理「え? 見えませんか?」
奈々子「う~ん… どうだろうね。 でも 本当に大丈夫? 顔色 よくないわよ。」
恵理「はい 大丈夫です。 ありがとうございます。」
奈々子「うん。」
恵理「ラウンド 行ってきますね。」
奈々子「はい。」
恵理「(恐ろしげな声で)佐々木さ~ん。」
奈々子「うわ~っ! バカ!」
恵理「フフフ… すみません。 行ってきます。」
奈々子「全く もう。 佐々木さ~ん。」
和也の心の病気だけじゃなく 恵理にも 何かあるみたいだねえ
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