雑誌をパラパラめくる文也
おやおやおや 神様も意地悪だねぇ そこに 恵里がいるんだよ 文也君。 しかもねぇ… 今 恵里は 弱っているのさぁ。
あんたに会いたくて でも 我慢してるんだよ。 文也君が 見られなかっただけでなく よりによって あの男の目に とまってしまうとはねぇ
恵尚の勤め先
先輩「テッテッテ… あ しんきくさい。 あんたは いつまで食べてんの! さっさと食え
! 仕事が残ってるで!」
恵尚「はい!」
先輩「ふん しんきくさい。」
恵尚「食事くらい ゆっくり とろうねぇ 体に悪いさ… 全く…。 ん? あ~!」
先輩「コラ~! なんて声 出すんだ!」
恵尚「恵里! 今 行くからよ。 待ってろよ! 恵里!」
一風館
グアテマラ
部屋に足音が近づいてくる
真理亜「うわぁ また 来やがった。」
ノックしようとして思いとどまる恵里
廊下
真理亜「はっ!」
容子「どうしたの?」
真理亜「あ 何でもない。」
容子「あ 恵里ちゃん。」
真理亜「何よ。」
容子「心配なんだ?」
真理亜「は? そんな訳ないでしょう。」
容子「そうだよね。 多分 恵里ちゃん お店の事で 落ち込んでるんだよ。 あんたが あんな事 言うからだね。 だから 心配してるんだ。」
真理亜「何 それ? 何 楽しそうな顔 してんの? バカみたい…。」
容子「かわいいとこ あんのよねぇ。 う~ん…。 ま ほっとくか。」
ダイニング
恵里「(ため息)」
あ~あ とうとう ため息まで ついてしまったねぇ