一風館
マンデリン
恵達「どうやって捜すの? これ。」
恵尚「これ? 全然 分からん。」
恵達「まったく! ダメだと思ったさ。」
恵尚「これから考えるさ!」
恵達「まず この住所に 行ってみたら。」
恵尚「はい。」
恵達「古い住所だから それで見つかることは まず ないだろうけど。 近所に古くからある家の人に 尋ねてみたり。」
恵尚「ほうほう。」
恵達「区役所でも調べてみてさ。」
恵尚「なるほど!」
恵達「おばぁ 測候所って言ってたろ? 今の気象庁さ そこでも 調べられるかもしれんよ。 退職者同志 連絡とり合ってる人いるかもしれんしさ。」
恵尚「なるほど!」
恵達「大丈夫かよ 安請け合いして。」
恵尚「大丈夫さ! 恵達は 暇 ないの?」
恵達「ないね。」
恵尚「あ そう。 うん…。 あ! 1階の男は暇じゃないかね?」
恵達「ダメ『俺が何とかする』と言った。」
恵尚「そうでした。」
恵達「よろしく頼むね。」
恵尚「はい。」
恵達「うん。」
グアテマラ
ハナ「楽しかったね? 今日は。」
容子「本当に 楽しかった!」
恵里「おばぁ?」
ハナ「何ね?」
恵里「会えるといいいね。」
ハナ「そうね。 どう? おばぁ 今 会っても あの頃と変わらず いい女かね?」
恵里「いい女さ おばぁは。」
ハナ「そう? やっぱし!」
真理亜「あの?」
恵里「はい。」
真理亜「何の話ですか?」
容子「『ゆがふ』に来ないから悪いのよ。」
恵里「そうですよ。」
ハナ「そうよ。」
真理亜「そんな事 言ったって… 何よ。」
容子「初恋かぁ!」
真理亜「『初恋』?」
容子「来ないから悪いのよ。」
真理亜「分かったわよ! 悪かったわよ 私が。」
容子「そうよ。」
恵里「会えるといいね おばぁ。」
恵里「会えるといいねぇ。」
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