古波蔵家
ハナ「うん… うんうん こうして…」
恵尚「出来たよ!」
島袋「はい 出来ましたよ! はいはい!」
恵尚「とうとう 出来たよ!」
恵文「どうしたの 恵尚?」
恵尚「みんな こっち… ちょっと ちょっと こっち来て こっち来て! こっち来て 早く 早く! ついに 出来ました!」
勝子「何が? あんまり 聞きたくないさぁ」
恵尚「なに言ってる おふくろさん これは すごい発明だよ 試作品も こうやって 持ってきたさぁ… なあ 正一」
島袋「はい びっくりしますよ!」
恵尚「おふくろさん おやじさん こっち来なさい 我々を真ん中にさせなさい」
島袋「はいはい は~い」
恵文「どんなのかねえ 楽しみだねえ」
勝子「いえ あまり…」
恵尚「…では 早速 お見せいたしましょう」
島袋「うん」
恵尚「ついに『ゴーヤーマン』の ゲーム化に乗り出した 記念すべき 第1弾でございます それは こちら どどどど ど… どん! 『ゴーヤーマン 危機一髪』」
恵尚「ルールを説明しますよ まず こちらの じゃん ハブ剣 これを このかめに 一本一本 刺していき… そして このゴーヤーマンが飛び出したら この人の負け」
恵文「あやっ」
恵尚「はい いくよ スリル満点 さあ いこう いこうね 大丈夫かね… お~ セーフ…」
島袋「どきどきするさ… いくよ」
恵尚「危ないんじゃない?」
島袋「ああ よし よし…!」
恵文「これは すごいねえ よく出来てるさぁ」
恵尚「でしょう これ 絶対 いけるでしょ?」
恵文「いけるさぁ」
愛子「あるじゃん こんなの…」
祥子「だよねえ…」
恵尚「え? ウソ…」
島袋「そう?」
恵尚「正一 いつの間にか アイデア 盗まれてるよ」
島袋「悔しいさ もう…」
(飛び出すゴーヤーマン)
2人「あ~っ!」
愛子「バカじゃないの…」
勝子「であるよねぇ バカだよねぇ」
恵尚「お前のアイデアだから 駄目なんだろう!」
島袋「お前さ!」
カフェテラス
静子「ふ~ん さすが 古波蔵家ねえ」
恵理「そうですかねえ?」
静子「…古波蔵家っていうか 沖縄かなあ なんかあるのよね こう 傷ついた人を癒してくれる力みたいなものが… きっと」
恵理「そうなんですかねえ」
静子「あるんだなあ きっと なにかが…」
古波蔵家
愛子「おじさん」
恵文「はい 何でしょうか?」
愛子「お願いがあるんですけど」
恵文「おじさんに…? 何でも 言ってごらん」
勝子「うん…」
ハナ「恵文に できる事は あんまり ないと思うけど まず 言ってごらん」
恵文「おばぁ…」
勝子「どうしたわけ?」
愛子「踊り… 教えてくれませんか?」
恵文「『踊り』… 沖縄のねぇ?」
愛子「うん お母さんに見せたい」
勝子「そう… それは 上等さ」
祥子「すごい すてき 喜ぶよ きっと…」
ハナ「それなら 恵文にも できるさ」
恵文「そうだねえ それだったら で… でき… おばぁ! よし 練習しようか」
勝子「じゃ 私が 衣装つくってあげようね」
愛子「えっ? あ… あと1つ」
勝子「なに? 言ってごらん」
愛子「この島って 遠いんですか?」
ハナ「小浜ねえ…」
勝子「小浜か…」
恵文「小浜か… 行ってみたいわけ?」
踊りを練習中の愛子