古波蔵家
縁側
恵理「恵達…」
勝子「恵達…」
恵理「恵達 あんた…」
恵達「産まれた? もしかして…」
勝子「産まれたさ 元気な男の子だよ」
恵達「そう… 祥子は?」
ハナ「祥子ちゃんも 頑張ったよ 今 寝てるいるさ」
恵達「そう… そうか…」
恵理「恵達 あんたね どれだけ 祥子ちゃんが 心細かったと思ってるわけ?」
恵文「やめなさい 恵理」
恵理「でも…」
勝子「分かったの? 恵達… 産まれたって 感じた?」
恵達「…うん」
勝子「そう…」
恵文「恵達 お父さんは… なんとなく お前の気持は 分かるさ でもよ 恵達… 駄目でも いいさ 全然 お父さんは いいと 思うよ いろんな事 うまくいかなくて 駄目でもさ…」
恵文「恵達 お前は 一つの命を この世界に 産み出したんだよ! 恵達 それだけでも 立派な事さ それだけでも… お前が 生きている意味があるわけさ お父さんは そう思うよ」
ハナ「駄目な恵文が言うと やっぱり 説得力があるねえ」
恵文「であるわけさ… おばぁ!」
(笑い声)
恵達「ごめんなさい」
勝子「誰に謝ってるわけ?」
恵理「そうだよ 早く行ってあげなさい」
寝室
祥子「恵達…」
恵達「祥子… ごめんな」
祥子「私… 頑張ったよ 恵達」
恵達「あぁ」
祥子「頑張ったよ」
恵達「あぁ… ありがとう …ありがとうな 祥子」
祥子「お帰り 恵達」
恵達「ただいま 俺たちの子か」
祥子「うん」
恵達「みんなに ずっと言われるな これは…」
祥子「え?」
居間
恵理「子供が産まれる時に フラフラ 家出してた恵達 おめでとう!」
寝室
恵達「やっぱり…」
ゆがふ
静子「真理亜ちゃん こんな時に 踊らなくて いつ 踊るのよ」
真理亜「いい いい 私は いいわよ」
いい夜でした 那覇でも 東京でも 朝まで… 朝まで お祝いは続いたさぁ
古波蔵家
恵理「すごいねえ 文也君」
文也「…うん?」
恵理「命って… すごいねえ」
文也「うん」
恵理「あ~っ… 命って… すごいさ! う~ん! あ~!」