土曜ドラマシリーズ 「ちゅらさん4」最終話「ゆんたく三姉妹」

ゆがふ

兼城「いらっしゃい」

編集者「城之内先生 ここにいましたか いや あの 例の『ゆんたく三姉妹』あれが 大友賞の候補になったんですよ」

恵理「えっ?!」

真理亜「あっ そう」

編集者「『あっ そう』って… おめでとうございます」

恵理「すごい賞なんですか?」

編集者「それは もう この賞取ったら 作家としては 一人前という そういう賞ですよ」

ちゅらさんの画像

恵理「へえ~」

真理亜「ああ 私が一人前じゃないって言うわけ?」

恵理「あっ そうですよ~ なんてこと 言うんですか」

編集者「いや あの それは… そういう意味じゃなくてですね…」

真理亜「それに 何が『おめでとう』よ?! まだ 候補でしょうが 候補!」

編集者「いや それはまあ そうなんですけども… え~… それでですね あの 発表が 明日の夜になるんですが…」

恵理「明日?!」

編集者「はい それで あのですね 恒例といいますか 我々 編集者と マスコミ各社が 先生と一緒に 発表を 待たせていただきたいなと思いまして 受賞の場合は その後 記者会見なんかもございまして はい」

恵理「記者会見!」

ちゅらさんの画像

編集者「それでですね 場所なんですけど… 待つ場所でございますがね 何なら こちらで設定しますが…」

真理亜「断る」

編集者「はい?」

真理亜「嫌なこった うちにいるけど 来ても入れないよ」

編集者「えっ? そんな~」

真理亜「嫌だ 絶対お断り 電話だけくれればいい」

編集者「そうですか… はい 失礼いたしました」

真理亜「ちょっと」

編集者「えっ? はい?!」

真理亜「まあ… 一杯 飲んでけ」

ちゅらさんの画像

編集者「えっ?」

兼城「どうぞ」

編集者「あっ… ありがとうございます!」

恵理「…であるよ 飲んでいきなさい」

編集者「ああ… はい… ああ… ありがとうございます 先生も おひとつ ちょっとだけ カチンと …ああ! ありがとうございます」

ちゅらさんの画像

柴田家

容子「おはよう!」

子供たち「おはようございます」

(着信音)

ちゅらさんの画像

容子「もしもし? あっ 恵理ちゃん 東京 行ったんだって? うん …えっ? えっ?」

古波蔵家

勝子「あげっ…」

恵文「うん?」

勝子「1人分しかないさ 東京へ行くお金」

恵尚「えっ?!ってことは…」

勝子「おばぁだね」

恵文「…であるね」

ハナ「…だね いえい!」

祥子「おばぁ 支度 手伝います」

ハナ「うん ありがとうね」

ちゅらさんの画像

道中

柴田「容子さん! バッグ!」

容子「うわっ ごめ~ん!」

柴田「っていうか 容子さん 最近 転ばなくなりましたね」

容子「えっ? ああ そうだねぇ! あれだね やっと 地に足がついてきたのかな」

柴田「はい~!」

容子「じゃ 行ってくるね 栞 よろしくね~!」

ちゅらさんの画像

柴田「はい 気をつけて~! いや だから 容子さん バッグ! バッグ持ってかないと!」

一風館
グアテマラ

真理亜「はあ~… 幻覚まで見ちゃって… そんなに寂しいのか 私は ハハ~ン…」

ちゅらさんの画像

容子「本物だよ」

真理亜「え~っ?」

恵理「あっ 起きました?」

真理亜「な… なな… 何で…?」

容子「『何で』じゃないさ 水くさいじゃないの! 今日は 何とか賞の発表なんでしょ? あんた どうして 私を呼ばないのよ? てれ屋さんなんだから 本当に 怒るよ?」

真理亜「えっ…?」

恵理「そのとおりですよ」

ちゅらさんの画像

真理亜「何 言ってるのよ だって… だって 受賞するかどうか 分かんないしさ… …ていうか 落ちる可能性の方が高いしさ」

恵理「何 言ってるんですか~」

容子「そうだよ!」

恵理「私たちは そりゃもちろん 真理亜さんが受賞したら うれしいですよ でも どちらかといえば 落ちた時のためにいるんですよ ここに」

容子「そう」

真理亜「えっ? 何で?」

恵理「落ちた時の方が そばにいて ほしいじゃないですか 大切な人に そうでしょ? …ですよね? 容子さん」

ちゅらさんの画像

容子「そのとおりさ」

恵理「下 行きますよ ほら みんな 準備してるんですから」

容子「さあ 行くよ!」

真理亜「ちょっと待って『準備』?」

容子「ほら!」

真理亜「えっ? ちょっと!」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク