【 連続テレビ小説「あまちゃん」】76回のネタバレです。
あらすじ
アキ(能年玲奈)は、春子(小泉今日子)の手紙を読んで、アイドルを目指していた若き日の春子(有村架純)の苦労を知った。さらに、春子と事務所の社長・太巻(古田新太)が知り合いだったことに衝撃を受ける。そんな折、水口(松田龍平)が、ユイ(橋本愛)の父・功(平泉成)の病状が思わしくなく、ユイの上京が難しいと知らせてくる。アキは厳しい試練の連続にめげそうになり、ホームシックに…。
76回ネタバレ
テレビ・君でもスターだよ!
回想
<素人参加型オーディション番組『君でもスターだよ!』で 見事チャンピオンに輝いたママ。 しかし 番組は 急きょ打ち切られ 歌手デビューの夢は断たれ ママは途方に暮れていました>
荒巻「あ ごめんなさい! すいません。 すいません。」
春子「ありがとうございます。」
<今から25年前の事です>
1984年(昭和59年)夏
<路上では とんでもない恰好で 若者が躍ってたり『ソイヤ! ソイヤ!』と叫んだり いろいろと やがましかったようです。 そんな都会で ママが たどりついた場所は…>
純喫茶・アイドル
春子「ありがとうございました。」
<原宿の 純喫茶アイドル>
<竹下通りを 1本入った場所に あった この喫茶店で 時給550円で アルバイトしながら ママは アイドルを夢みていました。 そんなママを 店主の甲斐(かい)さんは 娘のように かわいがってくれたそうです>
甲斐「春ちゃん。」
春子「はい。」
甲斐「昨日のオーディション どうだったの? あの スケバンがヨーヨーで戦うやつ。」
春子「ああ あれね。 駄目だったみたい。」
甲斐「そうかい。 残念だったね ピッタリだと 思ったんだけどね。」
<東京へ出てきて 1年がたとうとしていました>
テレビ♬『セーラー服~』
甲斐「こいつらがテレビに出れて 何で 春ちゃんが 出れないんだろうね?」
春子「甲斐さん 最近そればっかり。」
甲斐「だって そうだろう。 6番とか9番とか微妙だろう。 歌だって4番より 春ちゃんの方がうまいしさ。 まあ そこそこ かわいいんだけどね。」
<1985年 秋元 康(あきもとやすし)が楽曲を手がけた おニャン子クラブがブレーク 素人全盛時代が 来ました。 プロ意識を持って 上京してきた ママにとっては 受難の時代でした>
オーディション
審査員1「岩手県? 岩手って 何 有名だっけ?」
審査員2「え~ なまはげ? きりたんぽ?」
春子「わんこそばです。 あと冷麺と じゃじゃ麺も有名です。」
「すいません! 遅れました。」
審査員1「素人っぽくないよね。 何か君。 面白い話して。」
審査員2「じゃあ 岩手だし ずーずー弁でしゃべってみて。」
審査員1「あ~ いいな それ。」
春子「ずーずー弁と…。 おばんです!」
審査員2「はい じゃ結構です。」
審査員1「で 次は?」
春子「あ… あの母は 三陸海岸で 海女をやってます。 北の海女といって 素潜り漁では 世界最北端なんです。」
審査員1「何 面白いネタ持ってんじゃん! じゃ やってみてよ。 ここ海 ちょっと 潜ってみて。 ほら もう 考えない 早くやる!」
春子「はい!」
審査員2「時間です 結構です。」
スタッフ「次の方 お願いします。」
回想終了
まごころ第2女子寮
春子✉『情けなかった。 あんなに嫌っていた母さんに 嫌で嫌で飛び出した 袖が浜の海女さんに 土壇場で頼ってしまった それほど 当時のママには 何も 誇れるものがなかった。」
春子✉『初々しさもない 歌もそこそこ。 だから練習した。 一生懸命ボイストレーニングや ダンスレッスンにも通った。 一歩でも プロに近づきたくて 日々努力を重ね ようやく上京したら 素人の時代。 なんて間が悪いのかしら』。
回想
純喫茶・アイドル
甲斐「(テレビの歌に合わせて)♬『勿体ないから あげない』俺の方が うまいよね? まあ かわいいんだけどさ。 ねえ 春ちゃん!」
(ドアベル)
春子「いらっしゃいませ!」
荒巻「レスカ2つ。」
甲斐 春子「はい!」
<レモンスカッシュを レスカと略すのが 既に ちょっと ダサかった 昭和60年 青年は 純喫茶アイドルに やって来ました>
荒巻「25歳までね トシちゃんのバックで踊ってたんだ。 ホント ホント ホント。『原宿キッス』の頃かな。 今いくつに見える? 46? 惜しい 26。 ハハハ!」
<この老け顔の青年が 後に 秋元 康に憧れ 数々のアイドルを輩出する 辣腕(らつわん)プロデューサー あの荒巻太一(たいち)になろうとは>
春子「お待たせ致しました。」
荒巻「でもさあ 番組終わっちゃってね。ほら『君でもスターだよ!』って あったじゃん?」
少女「はい。」
荒巻「で 引退して 今は スカウトやってる。」
(盆を落とす音)
甲斐「失礼しました。」
春子「失礼しました!」
荒巻「そうだ 名刺渡しておきますね。 荒巻です。」
少女「ごめんなさい。 親が厳しいので 裸は 無理なんです。」
荒巻「え? 裸なんて言った? ちょっと待って! 俺 裸とか…。 いくら?」
甲斐「700円です。」
春子「ありがとうございます。」
甲斐「細かいの助かります。」
荒巻「ごちそうさまでした。」
春子「ありがとうございました。」
回想終了
まごころ第2女子寮
<え? ママと太巻さんって 知り合いだったの?>
<『以上』って 手紙ここで 終わってるし 唐突! 体に気を付けてとか そういう母親らしい言葉も 一切ない!>
アキ「どう思います?」
水口「どうかと思うよ。」
アキ「じぇじぇ!」
水口「いつまで起きてんだよ。」
アキ「あ すいません。」
水口「会いに行ってきたよ ユイちゃんに。」
アキ「じぇじぇじぇ!」
水口「まあ 会えなかったんだけどね。 あ これ お土産。 ブティック今野の新作。」
アキ「わざわざ 北三陸さ 行ってきたんですか?」
水口「うん。 ユイちゃんのお父さん 盛岡の大学病院に 転院する事になったんだって。 幸い手術は 成功して 意識も戻ったらしい。 ただ 後遺症っていうか 介護が 必要になるんじゃないかって。 今も ずっと付き添ってるみたい。」
回想
よしえ「そういう訳で 回復のめどが立たないと ユイも 何とも言えない 状況なんです。」
水口「そうですか。」
よしえ「ホントに よりによって こんなタイミングで。」
回想終了